原作名 | 著者 | 映画化作品 | ひとこと |
アイガー・サンクション | トレヴェニアン | アイガー・サンクション (1975) | トレヴェニアンは寡作家で、長編小説は7作のみ。大好きな作家のひとりです。毎回趣向が違うのですが、本作は山岳冒険サスペンス(そんなジャンルがあるかどうかは不明)。映画化されているのは本作のみで、けっこう好きな映画です(数少ない山岳映画)。 |
雨 | サマセット・モーム | 雨(1932) | 私の短編小説オール・タイム・ベストのひとつ。主題うんぬんよりも、南の島で雨に降り込められた鬱勃感の描写が素晴らしい。映画は未見です。 |
嵐が丘 | エミリー・ブロンテ | 嵐が丘(1988)ほか | メロドラマの古典。敬遠してたのですが、大学生の頃、おそるおそる読み出したら面白くて止まらなくなった覚えがあります。何度も映画化されているようですが、観たことがあるのは吉田喜重が監督した作品のみ。ほとんど記憶に残っていません。 |
荒鷲の要塞 | アリステア・ マクリーン | 荒鷲の要塞 (1968) | ドイツ軍の難攻不落の山岳要塞に軟禁されたアメリカ軍将校を助け出す、という装いの冒険小説。マクリーンらしさの薄い作品なのですが、山が舞台ということもあって、私はいちばん好きです。映画はクリント・イーストウッドが準主役。リチャード・バートンのロープウェイ上での死闘が忘れられません。 |
アンドロイドは電気羊 の夢を見るか? | フィリップ・K.ディック | ブレード・ランナー (1982) | 「ブレード・ランナー」の記事で紹介しています。 |
愛しき者はすべて 去りゆく | デニス・ルヘイン | Gone Baby Gone (2007) | 私立探偵"パトリック&アンジー・シリーズ"のうちのシリーズ最高傑作。クリントン元大統領が大ファンだそう。映画は日本未公開らしい...ルヘインは「ミスティック・リバー」が売れましたが、こっちのシリーズの方がはるかに面白い。 |
動く標的 | ロス・マクドナルド | 動く標的 (1966) | 私立探偵"リュウ・アーチャー・シリーズ"の第一作。クラシカルなハードボイルドの中ではもっとも好きなシリーズです。私にとってのシリーズ最高作は「さむけ」。この作品に続き、二作目の「魔のプール」も「新・動く標的」という邦題で映画化されてます。主演はどちらもポール・ニューマン。ちょっとイメージが違うのですが、映画は映画としてどちらも楽しめました。 |
L.A.コンフィデンシャル | ジェイムズ・エルロイ | L.A.コンフィデンシャル (1997) | エルロイ暗黒のL.A.四部作の第三作目。シリーズ中ナンバー・ワンのリーダビリティ。四作目の「ホワイト・ジャズ」あたりはもうまともな文章になっていません(しかし面白い)。映画も複雑なプロットを見事に映像化していて素晴らしかったです。第一作目の小説、「ブラック・ダリア」も傑作ですが、映画は残念ながら、行間から立ちのぼるクレイジーな熱を掬い取ることができていませんでした(デ・パルマ監督だけにかなり期待したのですが...) |
大いなる遺産 | チャールズ・ ディケンズ | 大いなる遺産 (1997)ほか | 読んだのは社会人になってから。ディケンズは内容が古そうなのでずっと敬遠してたのですが、読み出したら止まらなくなり、その面白さに舌を巻きました。ロバード・ゴダード、チャールズ・パリサー、サラ・ウォーターズ...みんなディケンズがルーツなのだなということがよーくわかりました。時代を現代に移したアルフォンソ・キュアロン監督の映画も、ちょっと無理はありますが、面白く観ました。 |
堕ちる天使 | ウィリアム・ ヒョーツバーグ | エンゼル・ハート (1987) | ジャンル・ミックス小説。ネタばれですが、ジョン・ディクスン・カーの「火刑法廷」のハードボイルド版(わかる人にはわかるはず)。こんなのはあとにも先にもこの小説しか知りません。映画は一見、編集に難あり、なのですが、観れば観るほどよくできた映画であることに気づかされます(「エンゼル・ハート」の記事でより詳しく紹介しています)。 |
カラマーゾフの兄弟 | フョードル・ ドストエフスキー | 少年たち「カラマーゾフの兄弟」より(1990) ほか | ドストエフスキーもかなり好きな作家ですが、どれかひとつといえばやっぱりこれ。何度も映画化されているようですが、ひとつも観たことありません。ドストエフスキー原作の映画でよかったものといえば、ビスコンティの「白夜」に黒澤明の「白痴」。 |
雨の朝パリに死す | スコット・ フィッツジェラルド | 雨の朝パリに死す (1954) | 大学生の頃、なぜかフィツジェラルドにかぶれました(なぜだか自分でもよくわかりませんが)。熱は冷めましたが、短編はいまでもけっこう好きです。この小説、邦題が角川文庫では「雨の朝パリに死す」、新潮文庫では「バビロン再訪」(こっちが原題のとおり)。両方読むまでてっきり違う話だと思っていました。 |
奇術師 | クリストファー・ プリースト | プレステージ (2006) | 幻想小説の傑作。本屋でタイトル見て即買いした本です。期待通りの面白さでした。映画は「ダークナイト」という傑作を生み出した、クリストファー・ノーラン監督とクリスチャン・ベールのタッグ。こっちもかなり面白かったです。 |
極大射程 | スティーヴン・ ハンター | ザ・シューター 極大射程 (2006) | ひどい邦題、しかし最高のアクション・エンターテインメント。「ダーティ・ホワイト・ボーイズ」、「ブラック・ライト」、「狩りのとき」と続く、"ボブ・リー・スワガー・シリーズ"の第一作です。このシリーズ、日本での出版順序がめちゃくちゃで、なんと第一作目の「極大射程」が一番最後に出ました。映画は案の定、いまひとつ。 |
クリムゾン・リバー | ジャン-クリストフ グランジェ | クリムゾン・リバー (2000) | あまり期待しないで読んだのですが、予想外に面白かったスリラー。しかしぜんぜんフレンチ・ミステリーっぽくありません。映画もまあまあ楽しめました(山が出てくるから)。 |
警察署長 | スチュアート・ウッズ | 警察署長(1983) *TVドラマ | 小説よりもテレビドラマを先に観ました。確かNHKで3夜連続で放映したのですが、もう次の日が待ちきれないほどに面白かったです。再放送、またはDVD化してくれないものでしょうか。小説は、ドラマを観た後に本屋で見つけてすぐに買いました。これも私のオール・タイム・ベストの一作。「草の根」という続編もあって(政治小説)、こっちもかなり面白かったです。 |
検察側の証人 | アガサ・クリスティ | 情婦 (1957) | クリスティから何かひとつ...と思ったのですが、よく考えると長編にあまり好きな作品がありません(「アクロイド殺し」だけ別格なのですが、映画化不可能)。ということで短編から。ビリー・ワイルダーの映画も例によって素晴らしいのですが、それにしてもこの「情婦」という邦題、映画史上のワースト・ワンといってもいい罪深さ。いったい何を考えてこんな邦題にしたのでしょうか。 |
荒野へ | ジョン クラカワー | イントゥ・ザ・ワイルド (2008) | 満たされていたはずの青年はなぜひとり荒野に旅立ち、そして死んだのか?クラカワーはフィールドに出向き、推理を重ねながら、死んだ若者の心に迫っていきます。しかし死者が相手のこと、もちろん真実は神のみぞ知る。映画がこれをどう描いたのか、どうしても観たかったのですが、腰痛で動けないうちにロード・ショウが終わってしまいました...クラカワーには、エベレスト遭難を題材にした「空へ」というルポもあります。こちらも最高。 |
黒衣の花嫁 | コーネル・ウーリッチ | 黒衣の花嫁 (1968) | ウィリアム・アイリッシュが別名義で書いた小説。高校生の頃に読んだ世評名高い「幻の女」は正直言ってあまりのれなかったのですが(いま読み返したらどうかはわからない)、つい最近読んだ本作はキレのよいサスペンスで楽しめました。フランソワ・トリュフォー監督が映画化していますが、未見。 |
災厄の町 | エラリー・クイーン | 配達されない三通の手紙 (1979) | クイーンからも1本、ということで「災厄の町」。映画は野村芳太郎監督の作品。中学生の頃にテレビで観て、かなり面白かった記憶があります。タイトルもよし。 |
西遊記 | 呉承恩 | 西遊記 (2007) | この世でもっとも面白いお話のひとつだと思ってます。小学生のときに岩浪少年文庫で読んで以来、いろんなバージョンを読んできましたが、つい数年前に岩波文庫から決定版ともいうべき新訳全10冊が刊行されました(とうぜん読んだ)。映画は興味ゼロです。 |
砂塵の町 | マックス・ブランド | 砂塵(1939) | 「第三の男」の記事の末尾参照。 |
殺人者 | アーネスト・ ヘミングウェイ | 殺人者(1946) ほか | これも私の短編オール・タイム・ベスト。ハードボイルに分類されてきましたが、今の語彙で言えばノワールでしょう。映画はひとつも観たことがありません。あの短い話をどう膨らませているのか興味があります。 |
三国志演義 | 羅貫中 | レッドクリフ (2008) | 映画の原作という意味(羅貫中作)では、中学生のときに岩浪少年文庫版の「三国志」を読んだことがあるくらい。直接の原作ではありませんが、なんといっても吉川英治版の「三国志」が最高です。映画の「レッドクリフ」は観ていません(ただジョン・ウー監督なので、どんなものかなんとなく想像はつきます)。何十年にもわたる群像劇であるところに面白みがあるので、エピソードの一部を取り出した映画では醍醐味が薄れてしまうと思うのですが、どんなものでしょう。どちらかというと、映画よりも、延々80話以上にわたる中国制作のテレビドラマを観てみたいです。 |
死にゆく者への祈り | ジャック・ヒギンズ | 死にゆく者への祈り (1987) | ヒギンズといえば「鷲は舞い降りた」ですが、私にとってはこの作品がベスト。地味ですが緊密で穴のないプロット、アクションとサスペンスの絶妙なバランス、どこをとっても完璧な、冒険小説の大傑作です。映画化されていたとは知りませんでしたが、なんと主演はあぶらがのりまくっていた頃のミッキー・ローク。これは今すぐにでも観てみたい1本です。 |
死の接吻 | アイラ・レヴィン | 死の接吻 (1991) | 私の海外長編モノのオール・タイム・ベストのひとつ。アイラ・レヴィンも寡作家ですが、トレヴェニアン同様にハズレがありません(「ローズマリーの息子」を除く)。「ブラジルから来た少年」は小説、映画ともに大傑作です(映画は本邦未公開...なぜだか不思議)。 |
シャーロック・ホームズ の冒険 | コナン・ドイル | シャーロック・ホームズ の冒険(1984-1994) *TVドラマ | 長短篇あわせて全60話。どれがベストということもありません。左記は第一短編集のタイトルです。NHKで放映した英国製作のドラマは、配役といい綿密な時代考証に基づいたセットや雰囲気といい、ほとんど完璧にホームズ世界を再現していてうれしくなりました。昔、ベーカー街にあるホームズの部屋を再現したアパートを訪れたことがあります。おのぼりさんみたいですが、あの時は本当に感激しました。 |
ジャッカルの日 | フレデリック・ フォーサイス | ジャッカルの日 (1973) | 読んだのは高校生のとき。こんな面白い小説があったのか、と驚きました。虚実ないまぜにした情報小説のハシリのようなスリラーで、ミステリというと本格物ばかり読んでいた自分の目を違う方向にも向けてくれた作品です。フレッド・ジンネマン監督の映画も無名俳優をジャッカルに起用していて、暗殺者の匿名性がうまく表現されていました。またロード・ムービー好きとしては、ジャッカルがイタリアからフランスにクルマで旅する場面が最高。 |
ジャングル・ブック | ラディヤード・ キップリング | ジャングル・ブック (1994)ほか | 小学生の頃、岩波少年文庫版を夢中になって読みました。児童文学の大傑作です。カブ・スカウトに入っていたこともあって、やたらジャングル生活(とか野宿)にあこがれてしまったものです。 |
ジュラシック・パーク | マイケル・ クライトン | ジュラシック・パーク (1993) | 大人になったら古生物学者になって化石をほじくり出したいと思っていた幼い頃の夢を叶えてくれた小説、そして映画です。ストーリーはどうでもいいです。ありがとう、クライトン、ありがとう、スピルバーグ(「ジュラシック・パーク」の記事でより詳しく紹介しています)。 |
シンシナティ・キッド | リチャード・ ジェサップ | シンシナティ・キッド (1965) | 映画を観てかなり経ってから、小説の邦訳が出版されました(2001年)。ギャンブル小説の大傑作です。「夜の大捜査線」のノーマン・ジュイソンが監督した映画も最高。ちなみに私のギャンブル映画ベスト・ファイブは、「ハスラー」、「テキサスの五人の仲間」、「スティング」、「麻雀放浪記」とこの映画。 |
シンプル・プラン | スコット・B.スミス | シンプル・プラン (1998) | スティーブン・キング推薦にロクな小説はない、の定説を打ち破ったスコット・スミスの処女作。静かな出だしから級数的といいたいような盛り上がり方をみせるサスペンス、尋常ではありません。映画もよくできていた記憶があります。昨年、実に13年ぶりにスコット・スミスの新作が出たのですが(「ルインズ 廃墟の奥へ」)、13年待たせてこれですか!?という感じでかなりがっくりさせられました。 |
スリーパーズ | ロレンゾ・カルカテラ | スリーパーズ (1996) | ミッチェル・スミスの「ストーン・シティ」、スティーブン・ハンターの「ダーティ・ホワイト・ボーイズ」、デニス・リーマンの「囚人同盟」、吉村昭の「破獄」と並ぶ、監獄小説の最高傑作。バリー・レヴィンソン監督の映画は配役のよさもあってかなり期待して観にいったのですが、原作のレベルには届きませんでした。 |
僧正殺人事件 | ヴァン・ダイン | 僧正殺人事件 (1930) | 中学生のときに読んで、決定的にミステリが好きになった一冊。この本のせいで本格モノばかり読むようになりました。当時の文庫の裏表紙に映画のスチル・ショットが載っていて、以来、ずっと映画を観たいと思っているのですが、まったくかすりそうにありません。おそらくもう一生無理とあきらめてます。 |
大統領の陰謀― ニクソンを追いつめた300日 | B.ウッドワード、 C.バーンスタイン | 大統領の陰謀 (1976) | ウォーターゲート事件をスクープした、ピューリッツアー受賞の渾身ルポルタージュ。映画も観たのですが、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマンの豪華キャストにも関わらず、印象が薄くてさっぱり記憶に残っていません。 |
血の収穫 | ダシール・ハメット | 用心棒 (1961) | 黒澤明の「用心棒」にダシール・ハメットの名前はクレジットされてなかったと思いますが、明らかに「血の収穫」と「ガラスの鍵」が元ネタですね。ハードボイルドはこの一作から始まりました(「用心棒」の記事でより詳しく紹介しています)。 |
動物農場 | ジョージ・オーウェル | 動物農場 (1954) | 共産主義批判を超えて、より普遍的に革命の行く末と社会の腐敗の構造を喝破したとんでもない風刺小説。1954年製作のアニメーション映画が日本で公開されたのは、なんとつい昨年末のことだそう。 |
長いお別れ | レイモンド・ チャンドラー | ロング・グッドバイ (1974) | チャンドラーからひとつ。「さらば愛しき女よ」も好きなのですが、再三読んでる方ということで「長いお別れ」を。一昨年あたり、村上春樹訳で新版が出ました。買うかどうか迷いましたが、よく考えたら清水俊二訳で満足しているので、やめときました。映画は未見です。 |
盗まれた街 | ジャック・フィニー | SF/ボディ・スナッチャー (1978)ほか | 原作は、ユーモアもあれば格調の高さも感じられるSFの古典。四たび映画化された作品のうちで観たことがあるのは1978年のドナルド・サザーランド主演のものだけですが、ゾンビ映画のようになっていて悲しくなりました。この映画といい、2007年のニコール・キッドマン主演の「インベージョン」といい、なぜ小説の素晴らしい邦題、「盗まれた街」をタイトルに使わないのでしょうか? |
薔薇の名前 | ウンベルト・エーコ | 薔薇の名前 (1986) | 「薔薇の名前」の記事で紹介しています。 |
羊たちの沈黙 | トマス・ハリス | 羊たちの沈黙 (1991) | 「羊たちの沈黙」の記事で紹介しています。 |
ファイア・フォックス | クレイグ・トーマス | ファイア・フォックス (1982) | 冷戦時代のスパイ・アクションの傑作。「ファイア・フォックス・ダウン」という「ファイア・フォックス」のエンディング直後から始まる続編があり、こちらも面白い。映画の特殊撮影は、昔観たときは凄いと思ったものですが...今観るとどうでしょうか。 |
ボーン・コレクター | ジェフリー・ ディーヴァー | ボーン・コレクター (1999) | ハズレなしの"リンカーン・ライム・シリーズ"第一作。ディーヴァーも、新作が出れば必ず読む作家のひとり。映画はほとんど記憶に残っていません。 |
ホット・ロック | ドナルド・E. ウエストレイク | ホット・ロック (1972) | なぜかいつもうまくいかない泥棒、"ドートマンダー・シリーズ"の第一作。とぼけた味わいとギャグは最高です。現在、本作は復刊されてますが、一時絶版になっていて、読みたいのになかなか入手できず苦労しました。映画は先日NHK BSで放映していたものを録画済。観るのが楽しみです。 |
ボビーZの気怠く 優雅な人生 | ドン・ウィンズロウ | ボビーZ (2007) | ウィンズロウはもうずいぶん新作が出ていない気が...少年の成長物語、"二-ル・ケアリー・シリーズ"がベストですが、この作品をはじめとする単発モノもすべて面白い。ウィンズロウ作品の翻訳はほとんどが東江一紀という人なのですが、、この人の翻訳作品はほとんどハズレなしです。訳者を信用して読む本を選ぶことができるというめずらしいケースです。 |
本命 | ディック・ フランシス | 大本命 (1974) | 元騎手の冒険小説作家、ディック・フランシスの傑作競馬小説のひとつ。もっとも好きな作品は「興奮」です。映画化できそうな作品が山ほどあるにも係わらず、本作しか映画化されてないようです。 |
マッキントッシュの男 | デズモンド・ バグリイ | マッキントッシュの男 (1973) | バグリイからひとつ、となると、スパイ小説の本作か、山が舞台の冒険小説「高い砦」。アメリカにいるころ、シカゴからニューヨークへの長旅中にアムトラックの中で読んだ覚えがあります(「ミッドナイト・ラン」の末尾参照)。 |
マッシュ | リチャード・フッカー | M*A*S*H (1970) | 朝鮮戦争を舞台にした反戦小説。高校生の頃に読んだのですが、登場人物たちに感情移入しすぎてしまい、読み終わるのが惜しくてしかたなく、数十ページを残して、しばらく時間を置いた覚えがあります。「続・マッシュ」という続編もあって、つい最近古本を入手。もったいなくてまだ読んでません。ロバート・アルトマンが監督した映画も最高です(「マッシュ」の記事でより詳しく紹介しています)。 |
マラソン・マン | ウィリアム・ ゴールドマン | マラソン・マン (1976) | 「マッキントッシュの男」と同様、シカゴ発ニューヨーク行きのえんえん20時間近い列車旅行のあいだに読んだ本。ナチの残党を扱った傑作スリラーです。ジョン・シュレシンジャーが監督した同名の映画でナチの残党の大物を演じたローレンス・オリビエが、「ブラジルから来た少年」ではナチ・ハンターを演じていて、比較して観ると味わい深いです。 |
ミザリー | スティーヴン・ キング | ミザリー (1990) | これはコワかった!映画でミザリーを演じたキャシー・ベイツも最高のはまり役。キング小説のベストは「IT」(未映画化)、映画作品では「ショーシャンクの空に」。「シャイニング」は原作も映画も私にはいまひとつでした。 |
見知らぬ乗客 | パトリシア・ ハイスミス | 見知らぬ乗客 (1951) | ハイスミスといえば「リプリー」...「太陽がいっぱい」の原作ですが、小説としてはこっちが好きです。ヒッチコックの映画ももちろんよくできてます。 |
南から来た男 | ロアルド・ダール | フォー・ルームス (1995) | 正確には原作ではないのですが、タランティーノが監督した「フォー・ルームス」の最終話はこの小説のパロディ。私にとっての短編小説オール・タイム・ベストのひとつ。短編集「あなたに似た人」に収録されています。映画はいまひとつ楽しめませんでした。 |
モーターサイクル・ ダイアリーズ | エルネスト・ チェ ゲバラ | モーターサイクル・ ダイアリーズ(2004) | 「モーターサイクル・ダイアリーズ」の記事で紹介しています。 |
モンテ・クリスト伯 | アレクサンドル・ デュマ | モンテ・クリスト伯 (2002)ほか | つい数年前に読みました。全7巻。内容がかび臭そうで手が出なかったのですが...しかしこれが面白かった!デュマは「三銃士」も最高。小学生の頃に夢中になって読んだ覚えがあります。 |
闇の奥 | ジョセフ・コンラッド | 地獄の黙示録(1979) | 「地獄の黙示録」の記事で紹介しています。 |
郵便配達は 二度ベルを鳴らす | ジェームス・ケイン | 郵便配達は二度ベルを 鳴らす(1942)ほか | ノワールの古典。小説を読み終わってしばらくしてから、タイトルの意味がわからないことに気がつきました(郵便配達は登場しない)。諸説あるようですが、いずれにしても、それほど感心させられるような意味があるわけでもないようです。ビスコンティの処女作もよかったです。 |
聊斎志異 | 蒲松齢 | チャイニーズ・ゴースト・ ストーリー(1987) | 中国版「今昔物語」。仙人やら幽霊やらが出てくる不可思議な伝承や昔話を山ほど集めた本。中学1年の夏休みにこれを読んで読書感想文書いた覚えがありますが、そういう宿題にまったく適さない超面白本でした。映画は未見です。 |
ロウフィールド館の 惨劇 | ルース・レンデル | 沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇(1966) | 文盲の家政婦が裕福な一家にもららす悲劇を描いた強烈なサスペンス。古本屋で入手してつい最近読んだばかりなのですが、ぜんぜん期待してなかった分、面白さ倍増でうれしくなりました。 |
わが心臓の痛み | マイクル・コナリー | ブラッド・ワーク (2002) | 私にとって海外長編小説のオール・タイム・ベストのひとつ。マイクル・コナリーにハズレなし。新作をもっとも待ちわびてる作家のひとりで、とにかく全部読んでます。クリント・イーストウッドという監督は原作選びのセンスがとてもよい気がします。 |
わらの女 | カトリーヌ・アルレー | わらの女 (1964) | フレンチ・ミステリーはあまり好みじゃないのですが、これは一読驚嘆した覚えがあります。本当によくできていました。映画は未見です。 |
勿論、未見・未読の作品の方が多いのですが、
>サマセット・モームの「雨」
高校時代、実はよく解らないまま、
モームにはまっていたことを思い出しました。
映画で観たのは、1937年の「雨」ではなく、
こともあろうに、リタ・ヘイワースの「雨に濡れた欲情」でした…タイトルからして別物だとの匂いがプンプンだったので、痛手は蒙りませんでしたが。(笑)
>エミリー・ブロンテの「嵐が丘」
吉田喜重の作品や、海外ドラマなどで映像化されたものは何本か観た記憶があるのですが、
原作も、映像でも、私には、いまひとつピンと来ない、「不朽の名作」の一つです。
でも、つまらないとか、苦手という意識も湧かない不思議な作品です。
イギリス特有の、あの暗くて寒そうなムードが、結構好きなせいかもしれません。
>ジェイムズ・エルロイの「L.A.コンフィデンシャル」
ああ♪原作も映画も最高に好きです。
映画は、原作とはだいぶ違う筋立てになっていますが、気になりませんでした。
別々のものとしてそれぞれ楽しめてしまう作品です。
>それにしてもこの「情婦」という邦題、映画史上のワースト・ワンといってもいい罪深さ。いったい何を考えてこんな邦題にしたのでしょうか。
爆!
この作品も、好きですねー。
>エラリー・クイーンの「配達されない三通の手紙」
私もテレビの放映で観ました。
随分前にも関わらず、強烈に印象に残ってますね。
映画なのに、セットがなんか舞台ぽかった印象があります。
このタイトル、いいですよね。
>コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズの冒険」
NHKドラマは、日本語版の吹き替えも好かったですよね。
ついついハマって、全集買っちゃいましたもん。
PART1の時点で、諦めかけましたが、
PART2のボックスの中古が入手できたので。。。
ボックス、もっと安くしてくれー!
きりがないので、この辺で止めときますが、
トマス・ハリスや、ロアルド・ダールなど、
他にも好物がありました。
ロアルド・ダールは、12チャンネルなどで時々再放送されている海外ドラマ「予期せぬ出来事」の方が、「映像化」という感じはしますね。
あの、ゾクっとくる皮肉さ・意地悪さ、結構好きです。