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姿三四郎

どうぞ!...どうぞ!...どうぞ!ご存じ、黒澤明監督のデビュー作、「姿三四郎」(1943)。単刀直入なオープニング。流れるようなドラマ展開。スケールの大きなオープンセットに、こだわりのロケ撮影。六十余年も昔に撮られたとは思えない、斬新な構図やアクションの工夫。ここぞという場面で時間を自在に伸縮させるスローモーションや、息が詰まるほどの間、あるいは鮮やかな場面転換の呼吸。時代風俗の勘所を押さえたリアリ...

麻雀放浪記

ふ~ん。おめえも案外、ろくでなしだな。かつてキネマ旬報に連載されていた、映画のセリフをめぐるイラスト付きの名コラム、「お楽しみはこれからだ」をはじめ、映画にまつわる数々のエッセイや対談を通じ、その映画愛溢れるシネマディクトぶりを披露していたイラストレーター、和田誠がメガホンをとった1984年公開の映画、「麻雀放浪記」。クリエーターとしての才能、そして映画見巧者としてのセンスを如何なく発揮し、当代最高の...

夜叉

はじいたろか...こんかい?高倉健が元ヤクザのカタギを演じる、初めに高倉健ありきの映画、「夜叉」(1985)。60年代から70年代前半にかけ、仁侠映画の看板スターとして一時代を築いたのち、「君よ、憤怒の河を渡れ」(1975)や「新幹線大爆破」(1975)を経て、やがて「八甲田山」(1977)や「幸福の黄色いハンカチ」(1977)をはじめとする、斬ったはったと無縁の世界に確かな居場所を見つけた、健さんこと高倉健。「夜叉」は...

劔岳 点の記

誰も行かんかったら、道はできんちゃ。私が「劔岳 点の記」(2009)という映画の存在を知ったのは、2008年の夏、北アルプスの立山を訪れたときのことです。天狗平にある立山高原ホテルから、立山登山の玄関口、室堂平に向かうバスに乗ろうとチケット販売所の天狗平山荘に足を踏み入れたところ、壁一面に所狭しと貼られていたのが、立山・劔岳を舞台につい先ごろまで撮影が行われていたという、「劔岳 点の記」のロケ風景を収めたス...

武蔵野夫人

だいいち、武蔵野ってあンのかしら武蔵野に生まれ育ち、そして今も武蔵野に暮らす人間にとって(私のことです)、溝口健二の「武蔵野夫人」(1951)は、およそほかに代わるもののない、特別な映画です。古風で貞淑な人妻と、俘虜収容所から復員してきた従兄弟の間に芽生えるプラトニックな愛、そして彼らを取り巻く人間たちの打算と欲望、相克を描いた"メロドラマ"についての感想...はひとまず置くとして、"武蔵野に散歩する人...

ベルリン・天使の詩

ヴェンダースの"伯林(ベルリン)物語"「チャップリンのキッド」(1921)、「素晴らしき哉、人生!」(1946)、「天国から来たチャンピオン」(1978)、「未来は今」(1994)、「普通じゃない」(1997)、「コンスタンティン」(2005)、「レギオン」(2010)、そしてこの「ベルリン・天使の詩」(1985)...とまあ、ジャンルもテーマもばらばらのこれらの映画には、実はひとつの共通点があります。それが何かといえば、そう、も...

遠い空の向こうに

「わが谷は緑なりき」(1941)、「にあんちゃん」(1959)、「青春の門」(1975)、「幸福の黄色いハンカチ」(1977)、「天空の城ラピュタ」(1986)、「ブラス」(1996)、「リトル・ダンサー」(2000)、「ディア・ウェンディ」(2005)、「フラガール」(2006)そしてこの「遠い空の向こうに」(1999)...とまあ、ジャンルもテーマもばらばらのこれらの映画には、実はひとつの共通点があります。それが何かといえば、そう、...

アマデウス

ブロガーの皆さん一緒に同じタイミングで映画を観ましょうという企画、ブログDEロードショーに参加しました。今回の作品は、ミロシュ・フォアマン監督のアカデミー賞受賞作、「アマデウス」(1984)。モーツァルトの死後、巷間流布したという、サリエリ毒殺説に着想を得て、モーツァルトの生涯を大胆かつスキャンダラスに脚色した、ピーター・シェーファーの戯曲、「アマデウス」の絢爛華麗な映画化作品です。作品のチョイスは、こ...

砂の女

砂は湿気を呼びますから。安部公房原作・脚本、勅使河原宏監督による1964年公開の映画、「砂の女」。間然するところのない構成に、シャープなモノクロ映像、リアリズム溢れるディテールで構築された、悪夢のように不条理で寓意に満ちた世界は、まるでかたちのない"砂"そのものように、場面場面によって、視点の置きどころによって、また観るときの気分によって、そのフォルムの印象を自在に変化させていきます。男女を描いたドラマ...

ビッグ・ウェンズデー(再見)

ブロガーのみなさん一緒に同じタイミングで映画を観ようという企画、「ブログDEロードショー」。記念すべき第10回目の作品は、ジョン・ミリアスの自伝的青春映画、「ビッグ・ウェンズデー」(1978)。今回のチョイスは、この企画の発案者であり、また幹事役でもある映画鑑賞の記録のmiriさんです。日曜日に鑑賞したのですが、いや~、何度観ても、いい映画はいい。この映画を初めて観た高校生の頃の気分を思い出し、しばしノスタル...

復讐するは我にあり

ドカンと冷えとるじゃろねぇ、留置場は。今村昌平監督がメガホンをとった、「復讐するは我にあり」(1979)。私がこの作品を初めて観てしまったのは、中学二年か三年生の頃。それまでの私にとってトラウマ映画といえば、一もニもなく「八墓村」(1977)だったのですが、荒唐無稽なドラマのこけ脅し的な恐怖は、実在の連続強盗殺人犯をモデルにした、この「復讐するは我にあり」の肺腑を抉る圧倒的なリアリズムの前に、軽くどこかへ...

遙かなる山の呼び声

この家で過ごした日のことは、一生忘れません。道東の四季の移ろいを背景に、小さな牧場で細々と牛飼いを営む母子と流れ者の男のあいだに生まれた淡く切ない交情を、きめ細やかなタッチで情感豊かに綴ったメロドラマ、「遙かなる山の呼び声」(1980)。この映画、もうなんというか、私の心の中にある、北海道の原風景。これを観て北海道に憧れを抱き、そしていざ北海道を訪れたとき、まず最初に目指したのがこの映画のロケ地だった...

スモーク

先週末に観る予定が遅れてしまい、ようやく月曜の午前中に鑑賞。でもってさっそく感想を、と思っていたら突然吐き気が襲ってきて、お腹の調子がおかしくなってしまいました。そのうち寒気もしてきてガクガクブルブル、あっという間に熱が出て、以来、三日三晩、ほとんど何も食べられず、気息奄々、寝込んでしまう羽目に。昨日になってようやく病院へ行き、薬をもらって帰ってきたのですが、そのお陰かどうか、ようやく症状が治まっ...

ミシシッピー・バーニング

"アメリカン・ゴシック"の深淵1964年6月21日、"Freedom Summer"と呼ばれる、ミシシッピー州の黒人投票権登録者数向上を目的とする公民権運動に携わっていた三人の若者(白人二人と黒人一人)が、同州の田舎町フィラデルフィアで突如、行方不明となりました。時はキング牧師がワシントンD.C.で演説を行い、J.F.ケネディがダラスで凶弾に倒れたその翌年。南部諸州の人種分離政策(ジム・クロウ法)に対する非難が全米中で高まり、人...

ブリキの太鼓

映画と原作の脳内相互補完もう二十年以上も昔、フジTVの深夜枠で、単館上映系の優れた映画をノーカット、CMなしで放映する番組がありました(確か岡部まりがナビゲーターを務めていた)。TVの映画放映といえば(NHK教育の世界名作劇場をのぞけば)、吹き替え、カットあり、途中にCM、が当たり前だった時代、かなり思い切った企画だったのではないかと思います。毎回欠かさずに観ていた、というわけではありませんが、ビクトル・エ...

ザンパノは悔い改めない(と思う)フェデリコ・フェリーニの「道」(1954)。高校生の頃、教育テレビの世界名画劇場で放映されたのを観たのが初鑑賞。私にとって、これが初めてのフェリーニ作品でしたが、同じフェリーニでも、迂闊にも途中で爆睡してしまった「8 1/2」(1963)あたりと比べると、お話の筋がはっきりしていて、そのわかりやすい"泣ける物語"に、ずいぶん感動したものです。ただ、すすんでまた観たい!というほどで...

レスラー

かくてランディは宙を舞うめずらしく、最新作のご紹介です。ダーレン・アロノフスキー監督、ミッキー・ローク主演の「レスラー」(2008)。いや~、感動しました、マジで。この映画、もしもっと前に観る機会があったなら、マイ・ベストのかなり上位の一本として、きっととっくの昔に採り上げていたことと思います。最近では滅多にない映画館での鑑賞だったということもあるし、また観たばかりで印象が強いということもあるとは思う...

バグダッド・カフェ 完全版

掃除の不思議パワーA desert road from Vegas to nowhere. Some place better than where you've been. A coffee machine that needs some fixing in a little cafe just around the bend. I am calling you. Can't you here me? I am calling you...*        *        *ラスベガスへと向かう観光旅行の途中、夫婦げんかの末に、モハーヴェ砂漠の真ん中で夫と別れ、クルマを降りてしまったドイツ人の中...

リバー・ランズ・スルー・イット

釣り人対談: フィッシング・イズ・ビューティフル* 文中に、一部釣り用語がでてまいりますが、わからなくてもどうってことありませんので一切無視してください。 釣り師A: 今回ご紹介の一本は、1992年公開の米国映画、「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992)。ロバート・レッドフォードの三本目の監督作品です。時は禁酒法時代、舞台はロッキー山脈にほど近いモンタナ州の谷あいの田舎町、ミズーラ。スコットランド出身の...

フェリーニの8 1/2

今、頭は混乱でいっぱいだ以前、ヒッチコックの「めまい」(1958)について、昔観たときはさっぱり面白くなかったのに、時が経って観返してみたら、やたらと面白かった、というようなことを書きました。フェデリコ・フェリーニの「8 1/2」(1963)もまた、私にとって、そんな一本です。高校生の頃、中野か飯田橋あたりの名画座で観たのですが、奇抜で絢爛たる映像に目を瞠りつつも、オハナシの筋がさっぱりわからなくて、退屈のあ...

管理人: mardigras
大王わさび農場
黒澤明の「夢」(1990)のロケ地を訪れました。

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Index

邦画の紹介
椿三十郎
七人の侍
用心棒
ツィゴイネルワイゼン
遙かなる山の呼び声
復讐するは我にあり
砂の女
男はつらいよ 寅次郎恋歌
男はつらいよ 寅次郎忘れな草
男はつらいよ 寅次郎相合い傘
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
武蔵野夫人
仁義なき戦い
麻雀放浪記
幸福の黄色いハンカチ
悪魔の手毬唄
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
夜叉
姿三四郎
劔岳 点の記
洋画の紹介
第三の男
ブレードランナー
ゴッドファーザーPARTII
羊たちの沈黙
ミッドナイト・ラン
スカーフェイス
ビッグ・ウェンズデー
ゴッドファーザー
駅馬車
荒野の決闘
ダンス・ウィズ・ウルブズ
燃えよドラゴン
スパルタンX
ターミネーター2
パルプ・フィクション
アパートの鍵貸します
引き裂かれたカーテン
めまい
夜の大捜査線
地獄の黙示録 特別完全版
サンセット大通り
モーターサイクル・ダイアリーズ
8 1/2
真夜中のカーボーイ
スティング
プラトーン
ダイ・ハード
赤ちゃんに乾杯!
太陽がいっぱい
マルホランド・ドライブ
薔薇の名前
リバー・ランズ・スルー・イット
ルートヴィヒ
M★A★S★H マッシュ
バック・トゥ・ザ・フューチャー
タクシードライバー
エンゼル・ハート
バグダッド・カフェ 完全版
未来世紀ブラジル
明日に向って撃て!
恐怖の報酬
レスラー

キル・ビルVol.2
2001年宇宙の旅
ブリキの太鼓
ジュラシック・パーク
十二人の怒れる男
ゲッタウェイ
ミシシッピー・バーニング
ベルリン・天使の詩
裏切りのサーカス
ブラック・レイン
アマデウス
遠い空の向こうに
カプリコン・1
その他映画関連
いとしの映画音楽
この邦題がすごい!
この映画の原作がすごい!(海外編)
この映画の原作がすごい!(国内編)
あの映画のコレが食べたい!
2010年イラスト・カレンダー
「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて
2011年イラスト・カレンダー
続・この映画の原作がすごい!(上)
続・この映画の原作がすごい!(下)
シネマ・イラストレイテッド in TSUTAYA
「劔岳 点の記」を訪ねて
その後のシネマ・イラストレイテッド in TSUTAYA
「夜叉」を訪ねて
「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて(その2)
2014年イラスト・カレンダー
「砂の女」を訪ねて
「悪魔の手毬唄」を訪ねて
「武蔵野夫人」を訪ねて
「岳 -ガク-」を訪ねて
「ゼロの焦点」を訪ねて

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