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603
] おはようございます☆
この映画、素敵な本当に良い映画でしたネ。
デ・ニーロが好きではなかったのですが、この作品はすっごく好感持てました。
こちらの記事はいつものように詳しくて、ホントによく分からなかった部分も、分かるようになり、助かります。
>この移動手段の変更を余儀なくさせられる理由をいかにうまくつけるかが、逃亡系ロード・ムービーを面白くするひとつのキモだと思うのですが、この映画はそのあたりもばっちりなのです。
このあたり面白かったですね!
mardigrasさんはアメリカの地図が頭に入っているのでしょうから、余計面白かったと思います。
今年の5月に見たのです!!!
感想の駄文のURLをいれさせてもらいましたので、もしお時間があれば、お願いいたします。
ところで、今月も「ブログ DE ロードショー」 のご案内に参りました。
(おめでたい事に、1周年です♪)
作品名:『カプリコン・1』
(1977年・アメリカ/イギリス製作作品 監督はピーター・ハイアムズ)です。
今月の、この作品を選んでくださったのは、 「 MOVIE−DIC 」 の 白くじらさんです。
(白くじらさんは、この企画に第4回目から参加して下さっています☆)
選んで下さった理由は
1・未だに実現していない火星有人探査を扱いながら、今でもありえそうな
出来事という恐怖を、みなさんと味わいたいため。(^^;
2・最近、火星関係の作品を観て懐かしくなったため。
3・まるで生き物のようなヘリにまた会いたくなったため。
4・「ブログ DE ロードショー」一周年ということでここはSFかな!と。
5・といいながらもSFというよりはサスペンス仕立てなので、すんなり入れるかなと思って。
・・・との事です。
鑑賞日は7月9日(金)〜11日(日)の三日間です。(お忙しくてご都合の悪い場合は後日でも結構ですよ〜!)
是非、皆さんと、一緒の時期に、同じ映画を見て、ワイワイ言い合いたいと思います。
(感想・レビューは強制ではありません)
なお、このDVDは、大きなレンタルのお店に、存在するとおもわれますので、宜しくお願いします。
(っていうか、懐かしいって感じ?)
2010-07-02 05:07
miri
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604
] >miriさん
こんばんわ、いつも読んでくださってありがとうございます。
コメントいただいて、私もまたそろそろこの映画を観返してみたくなりました。miriさんの記事も読ませていただきますね。この映画のデ・ニーロがお好きなら、きっと「俺たちは天使じゃない」のデ・ニーロもきっとイケると思いますよ〜。機会があればぜひ。
「カプリコン・1」ですか〜。いやあ、いいですね!これ、テレビ以外で初めて観た洋画なんです。ぜひ参加させていただきます。
2010-07-03 02:33
mardigras
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ミッドナイト・ラン
爆笑デ・ニーロのロード・ムービー
マ
ーチン・ブレスト監督、ロバート・デ・ニーロ主演のアクション・コメディ、
「ミッドナイト・ラン」
(1988)。これはホント、楽しい映画です。ユーモアとペーソスの絶妙な按配に、何度観ても気持ちよく笑わさせられて、ほろっとさせられて、そして観終わればきっと心がスカッとする、私にとっては最高の疲労回復ムービー。
「ミッドナイト・ラン」の初鑑賞は学生だった二十歳の頃。暑い夏の昼下がりにビデオを借りてきて、ワン・ルームのアパートのベットに寝転がりながら一人で観た覚えがあります。当時、ロバート・デ・ニーロが出演してさえいれば片っ端から映画館に足を運んでいたのですが、よりによって、この作品だけはうっかり見過ごしてしまいました。果たしてその後、何度ビデオを借りたことか...バカバカしくなって、数年前にDVDを買いました。
"ロード・ムービー"というジャンルについて
旅
(移動)の過程で起こるさまざまな出来事を描くことに眼目を置いた、いわゆる"ロード・ムービー"と呼ばれるジャンルの作品は、その内容如何に関わらず、もうそれだけでわくわくしてしまうところがあります。目的地を目指して旅すること、あるいは見知らぬ土地を当てもなしに彷徨ったりすること、イコール未知なる人との出会いや予期せぬ冒険といった非日常的なイベントがある程度約束されているともいえるわけで、しかもたいていは、その旅の進み具合に主人公の成長あるいは旅を共にする者同士の相互理解や友情の深まりといった高揚感や充実感をともなう内的ドラマの進展がわかりやすくリンクしていたりもして、要するにロード・ムービーは、お話を盛り上げる要素とカタルシスのタネが予め内包された、実に便利なドラマ設定だと思います。
日常の閉塞感にちょっとした風穴を開けてくれるような気がするこの手の映画(そして小説も)が好きで、昔からそれっぽさを嗅ぎ取ると、それこそ見境なしに手を伸ばしています。実際、ロード・ムービーと呼んでいい作品は山ほどあって、レンタル・ビデオ屋さんに行くといつも、いっそ"ロード・ムービー"でカテゴライズしてくれないものか、などと思ってしまうのですが、残念ながらそんなジャンル分け、これまで一度もお目にかかったことがありません。
たとえば本作「ミッドナイト・ラン」は"アクション"、
「地獄の黙示録」
(1979)は"戦争"、
「ジム・キャリーはMr.ダマー」
(1995)は"コメディ"で、
「駅馬車」
(1939)は"西部劇"、
「ロード・オブ・ザ・リング」
(2001)は"ファンタジー"だし、
「ストレイト・ストーリー」
(1999)は"ヒューマン"、
「恋は嵐のように」
(1999)は"恋愛"で、
「北北西に進路を取れ」
(1959)は"サスペンス"...とまあ、いずれもロード・ムービーの要素を持ちながら、それぞれ異なるジャンルの棚に仕分けされているわけですが、しかしこれらがひとところにまとめて並べられていたりしたら...な〜んてことを想像すると、ロード・ムービー好きとしては、もうそれだけで楽しくなってしまったりするのです。
* * * * *
実際に旅するならあてのないぶらり旅も楽しいものですが、映画の場合、主人公の旅に何か明確な目的のあった方が、その目的を遂げることができるかどうかのスリルが加味されて、また主人公の抱く希望や使命あるいは野心といったものに感情移入できたりもして、(あくまで"ロード・ムービー"としての)お楽しみによりコクが出るような気がします。かてて加えてその目的に時間的制約があったり、はたまた主人公の行動を邪魔する存在があったりすると、スリルがぐっと増してなお楽しい。
そんなシチュエーションのロード・ムービーは、たとえば「ロード・オブ・ザ・リング」、
「ゲット・オン・ザ・バス」
(1996)、
「恐怖の報酬」
(1953)、
「リトル・ミス・サンシャイン」
(2006)、
「バニシング・ポイント」
(1971)、
「ジャッカルの日」
(1973)、
「大災難P.T.A.」
(1987)、
「プライベート・ライアン」
(1998)、
「八十日間世界一周」
(1956)...とまあその背景や味わいに違いはあれど、傑作、佳作、枚挙にいとまがありません。そしてそんな数ある作品の中でも私にとってのベスト・オブ・ザ・ベストがこれ、「ミッドナイト・ラン」なのですね。
「ミッドナイト・ラン」のあらすじ(以下ネタバレ)
ド
ラマの主人公は、ロバート・デ・ニーロ演じるバウンティ・ハンターのジャック・ウォルシュ。バウンティ・ハンターとは、保釈逃亡犯の逮捕をなりわいとする、アメリカ社会特有の賞金稼ぎのことです。かつてシカゴの警官だったジャックは、麻薬王セラノ(デニス・ファリーナ)の賄賂を拒否したことから仲間内で孤立し、罠に嵌まって警察を辞めさせられた上に妻子とも別れ、いまはロサンゼルスでただひとり、いずれ小さなコーヒー・ショップを開くことを夢見ながら賞金稼ぎを続けています。
そんなジャックはある日、保釈金融会社のエディ(ジョー・パントリアーノ)から、"デューク"ことジョナサン・マデューカス(チャールズ・グローディン)を捜し出してほしいとの依頼を受けます。ジョナサンは、クライアントであるセラノの金を義憤に駆られて横領し、慈善事業に寄付してしまったことから逮捕された会計士。エディの用立てた金で保釈されたあと、麻薬王の暗殺を恐れ、どこかへ雲隠れしてしまっています。公判は四日後の金曜日、それまでにジョナサンをロサンゼルスへ連れてこなければ、保釈金は没収、すなわちエディは破産、というわけで、ジャックは引退の目処が立つ10万ドルという破格の報酬を条件に、仕事を請け負います。ジョナサンを見つけ出し、その身柄を確保することさえできたなら、全米中のどこにいようとも、ロスまで飛行機でほんのひとっ飛び。たった一晩で終わる簡単な仕事、といわけでタイトルが
"ミッドナイト・ラン"
(夜中に近所の店へひとっ走り買い物に行ってくる、という意味のスラングでもあります)。
早速仕事に取り掛かったジャックは早くも火曜の夜、ニューヨークの隠れ家に潜んでいたジョナサンを首尾よく見つけ出すと、上機嫌で飛行機に乗せ、ロスへ連れ帰ろうとします(ニューヨークからロスまでのフライトはほんの5時間)。ところが飛行恐怖症だというジョナサンが機内で喚き出し、離陸直前、二人は機長命令で飛行機から降ろされてしまうのです。
ジャックは仕方なしに長距離列車(AMTRAK)でロスへと向かうことにするのですが(乗車時間はほとんど丸3日)、しかしエディがバック・アップとして雇ったもうひとりの賞金稼ぎ、マーヴィン(ジョン・アシュトン)がピッツバーグから列車に乗り込んできて、ジョナサンを渡せ渡さないの一騒動。なんとかマーヴィンを振り切ったジャックはオハイオの片田舎で列車を降り、今度は長距離バスに乗り込みますが、しかしマーヴィンの悪知恵で、ジャックのクレジット・カードが利用停止にされてしまいます。しかも一難去ってまた一難、公判でジョナサンに証言されては困るセラノが殺し屋を差し向け、さらにはセラノ逮捕を目論むFBIのモーズリ(ヤフェット・コットー)もジョナサンの身柄確保に乗り出してきて、ジャックはいよいよ絶体絶命。西海岸はまだ遥か先、果たしてジャックは追っ手を振り切り、しかも隙あらば逃げ出そうとするジョナサンの首根っこを押さえながら、タイム・リミットの金曜深夜までにロスに辿り着けるのか―。
ジャックとジョナサンの移動経路と移動手段(地図付き)
と
まあ、あらすじはざっとこんな感じ。逃亡系ロード・ムービーの典型といっていい、いかにもありがちな図式ではありますが、しかし道中、二人の減らず口の叩きあい、そして次々と乗り物を乗り換えながらの三つ巴、四つ巴の追いつ追われつのジョナサン争奪合戦がなんとも楽しい。そしてこれまたロード・ムービーの醍醐味といっていい、オール・ロケーションの町から町への映像が実に素晴らしい。晩秋のすがすがしくクリアな空気の匂いさえもが伝わってくるかのようで、全米を股にかけた旅気分をぐんと盛り上げています(ちなみにマーティン・ブレスト監督の次作、
「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
(1992)の季節感も素晴らしい。撮影はいずれもドナルド・ソーリン)。
二人の移動手段は、長距離列車、長距離バス、クルマ、と飛行機を除く北米大陸横断のメジャーな"足"を巧みに織り交ぜて、ロード・ムービー好き(私)をニヤリとさせます。ほかにもタクシー、徒歩、ヒッチハイク、果てはパトカーの乗り逃げに貨物列車のタダ乗り、車輌強盗に車輌窃盗とあらゆる手段のオンパレードで、これ、間違いなく意識してのことでしょう。思いもかけぬトラブルで、移動手段の変更を余儀なくさせられるところがこの手のロード・ムービーの大きな見せ場ですが、「ミッドナイト・ラン」はそのあたりの展開とビークルのチョイスの必然性、そしてタイミングが最高です。たとえば前述の通り、旅の出だしで飛行機の利用をうまい具合に回避しているのですが、それがあとあとのギャグの伏線にもなっていたりして、要するに脚本の出来栄えが素晴らしいのですね。
ここで二人の三日間にわたる道中をわかる範囲でマッピングしてみると―
どうです、このバラエティ豊かな移動手段。こうしてみると、ジャックは水曜の早暁から木曜の夜まで、途中、シカゴでの銃撃戦、16、7時間のロング・ドライブ、アマリロでのカー・チェイスといったタフなイベントを挟みながら、なんとまるまる40時間近くも寝てないことがわかるのです(笑)。
シンプルな構成とハラショーな脚本
上
記の通り、「ミッドナイト・ラン」の面白さの源泉は、なんといってもメリハリ付けまくり、伏線張りまくり、セリフ冴えまくり、そして小道具活かしまくりの技巧的な脚本にあります。ドラマのおおよその骨格は、
(1)ジャックとジョナサンがある町へ辿り着くたびにピンチに見舞われる(アクション)
(2)そしてピンチをしのぐたび、移動中の二人の間で会話が交わされる(ダイアローグ)
の繰り返しに過ぎなかったりするのですが、しかし絶妙のタイミングで繰り返される(1)=動と(2)=静のリズムが心地よく、また"タイム・リミット"と"チェイス"が生みだすスリル&サスペンスとも相まって(アクションそれ自体に度肝を抜かれるようなインパクトはないのですが)、オープニングからエンディングまで、ダレることがまったくありません。
いくら移動手段を変更しても、行く先々の町で、二人は必ず追っ手のいずれかに待ち伏せを喰らってしまいます。なぜか先回りされてしまう理由がどれもこれもウェル・メイドで可笑しいのですが(特に
「ドーナッツ買ってくる」
の繰り返しは最高)、同時にクライマックスのマッカラン(ラスベガスの空港)まで、マーヴィン、マフィア、FBIの三者が同時に登場することがなく、どこの町でも待ち伏せしているのはいずれか二者だけ、という出入りの工夫が抜群です。
たとえば
(1)シカゴではマフィアとFBI
(両者が銃撃戦を繰り広げる隙にジャックたちは逃走)、
(2)アマリロではマフィアとマーヴィン
(マーヴィンと呉越同舟でマフィアやっつけたあと、ジャックがマーヴィンを騙して逃走)そして
(3)セドナではFBIとマーヴィン
(FBIのあとを尾けたマーヴィンが油断したジャックからついにジョナサンを奪取)、とまあ三者が入り乱れるカオスを避ける一方で、現われた二者を巧みに絡ませることによって、ジャックたちが絶体絶命の窮地を脱するきっかけをスマートに作り出しているのです。
そして危機をすり抜けるたび、次の町へと移動しながらジャックとジョナサンが会話を交わす―というより嫌がるジャックをジョナサンが無理矢理会話に引っ張り込もうとします(逃げ出すきっかけを少しでも作り出そうとして)。あの手この手で会話の糸口を見つけようとするジョナサンのしぶとさが笑えるのですが、旅が進むにつれ、人間不信だったジャックの頑なな心が徐々に解きほぐれ、そして(生死を共にする"バディ"として)二人の絆が深まっていくという展開に、ついほろりとさせられてしまうのです。ニューヨークでは、追う者と逃げる者でしかなかったはずの関係が、しかし旅を通じて互いの人間性を理解しあい、そしてアリゾナあたりまで来ると
「生まれ変わったらまた会おう」
と口にするほどの友情が芽生えている―まあ要するに、これまたこの手のドラマのお決まりの展開なのですが、しかしそんな心の移り変わりがグラデーションのように滑らかに、そしていかにもアメリカ映画らしくカラッと描かれていて、その雰囲気が実にすがすがしいのです。
そしてなんといっても、ジャックの高飛車な減らず口とジョナサンのいかにも会計士らしい屁理屈の応酬が楽しい。たとえばジャックの関心を必死に惹こうとするジョナサンと、そのおしゃべりに辟易しきったジャックが交わす会話。
ジョナサン 「
(声をひそめて)
セラノがいちばん怖いことって何だか知ってるか?」
ジャック 「おまえと一緒に大陸横断しなきゃならなくなること
(爆笑)
」
またこの映画、ギャグやペーソスのネタとなる小道具の使い方も抜群です。サングラス、FBIのバッジ、タバコ、マッチ、腕時計といろいろある中で、特に冒頭、ジャックがモーズリから掏り取ったFBIのバッジを使ったギャグがやたらと可笑しくて、バッジ片手に路上でいきなり振り返ってポーズをキメてみたり、フライト中に子供の見ている前で堂々と写真を貼り替えてみたり、そして行く先々で徹底的に使い倒してみたり(中でもチャニングのバーで、ジョナサンとともに偽札詐欺をはたらくデ・ニーロの顔演技は絶品)、とにかく何度観ても笑えるのです。
"コメディアン"、ロバート・デ・ニーロ
巧
みなシナリオに加え、この映画の面白さを決定付けているもうひとつの大きな要因は、そのキャスティングです。腕っ節は弱いくせに、やたらと不敵な笑みを浮かべてみせる(いじめられっ子のような)ジョナサンを演じるチャールズ・グローディンのとぼけた味わいもさることながら、しかしなんといっても最高なのは、ジャックを演じるロバート・デ・ニーロです。
「未来世紀ブラジル」
(1985)で、センス・オブ・ユーモアの片鱗をちらりと披露してはいましたが、本作ではもう、アクセル全開のコメディアンっぷり。初めて観たときは、あのヴィトー(
「ゴッドファーザーPARTII」
(1974))が、あのトラヴィス(
「タクシードライバー」
(1976))が...とそのコワモテ、狂気のイメージとのあまりのギャップに驚かされてしまったものです。しかし超一流は、何をやっても超一流。大したネタであろうとなかろうと、デ・ニーロが言ったりやったりすると、なぜかいちいち可笑しいから不思議。絶妙な表情としぐさ、そして間。特に自分の減らず口に自分でウケるときの破顔一笑は最高で、思い出すだけで可笑しくなってきます。「ミッドナイト・ラン」の次の出演作、
「俺たちは天使じゃない」
(1989)もまたコメディで、こちらのコンビはショーン・ペン。デ・ニーロが、本作とまったく同質の爆笑演技をみせていて、この映画もかなり笑えます。
"人情喜劇"「ミッドナイト・ラン」
こ
の映画、笑いの一方で、ペーソス溢れるエピソードの味わいが、これまたほとんど"人情喜劇"といいたいくらいに素晴らしい。たとえば道中、シカゴでのジャックと一人娘との九年ぶりの再会。あるいは最後、ロサンゼルス空港でのジャックとジョナサンの今生の別れ。いずれの場面もあざといほどの浪花節なのですが、しかしウェルメイドなハリウッド映画のフォーマットでこれをやられると、もう恐ろしいくらいに効果抜群、その切なさ哀しさに、何度観ても、胸がじんとしてしまいます。
ちなみにこの映画の中で私のもっとも好きな場面は、ドラマの終盤、ロスまで残すところあとわずかとなった、真っ赤な大地の広がるアリゾナの"レッド・ロック・カントリー"で、ジャックがとうとうマーヴィンに出し抜かれ、ジョナサンを掻っ攫われてしまった直後の情景。陽はまだ中天にある時刻、埃まみれのジャックは疲れた足を引きずり、街道沿いの小さなコーヒー・ショップに辿り着きます。ほかに誰も客のいない、気だるい空気の流れる店のカウンターに腰をおろし、コーヒーを注文する彼に、店のオーナーが声を掛けます。
「ひどい一日だったようで」
「...いや、ひどい一週間だ」
「わかりますよ」
タバコに火を点けようとしてなかなか点かず、ジャックは溜息をつきます。不眠不休の死に物狂いの努力も水の泡、やくざな暮らしに見切りをつけてコーヒー・ショップを持つ夢も潰え、どことも知れないど田舎のコーヒー・ショップにひとりきり、クルマもなし、手持ちの金もなし。旅の途中で再会した元妻と一人娘に未練を残しつつ、しかしもう二度と彼女たちと逢うことがないであろうことを、ジャックは頭の隅でわかっていたりもします。孤独で未来の当ても失って、しかしそれでもなんとか生きていかなくてはならない四十男の切なさ、哀しさそしてしぶとさを、デ・ニーロは溜息ひとつに凝縮してみせるのですが...とその一瞬後、カウンターの上を因縁のサングラスが滑ってきて、誰かと思えばモーズリ登場。とうとうFBIに捕捉され、ジャックにとっては弱り目にたたり目のはずですが、しかし旧知の顔を見て、彼はまるで黄昏気分が蒸発したかのように、にっこり笑み崩れて減らず口を叩きます。この絶妙の呼吸、なんだか観ているこっちまで、救われた気分になってしまうのですね。
余談あれこれ(タバコ、AMTRAK、黒革のハーフ・コート)
ジ
ャックはヘビー・スモーカーで、長距離列車の中でも長距離バスの中でも空港でも、ところかまわずがんがん煙草に火を点けています。ジャックに限らずマーヴィンもモーズリもすぱすぱ煙草を吸っていて、今の映画じゃちょっとありえないほどのマジョリティっぷりです。そんな中でインテリのジョナサンただ一人が煙草の害悪をジャックに延々語り倒すのですが(そしてジャックは無視)、思えばこの映画の公開された頃は、ちょうどアメリカで煙草批判が喧しくなり始めた時期と重なります。この後、それこそあっという間に公共の場から煙草を吸える場所が消えていき、それでも1990年代の初めの頃はまだ、どこの空港でもターミナル内にスモーキング・エリアが確保されていたものですが、それが今ではターミナルの外でさえ灰皿が見つからないほど。LAX(ロサンゼルス空港)に到着したジャックがエスカレータに乗りながら思い切り煙草を吹かしていましたが(そういえば
「ダイ・ハード」
(1988)でもブルース・ウィリスがLAXに到着した瞬間に煙草に火を点けていた)、一昨年LAXでライターを買おうとしたら、空港内じゃ今や煙草もライターもどこにも売っていないと言われてしまいました。
旅の途中、手持ちの金がなくなりすっからかんになったジャックとジョナサン。アマリロに到着すると、腹ペコにもかかわらず、ジャックがなけなしの小銭でタバコを買ってしまいます(そして彼らはその日の夕方まで何も食べることができない)。怒ったジョナサンが、恨みがましくブツブツと文句を言い続けるのですが(
こちらの記事
参照)...いや、これわかります、食事より煙草。スモーカーなら誰でも一度や二度、同じ経験をしたことがあるんじゃないでしょうか。
* * * * *
その昔、イリノイ州の片田舎に住んでいた頃、シカゴ−ニューヨーク間を、映画と同じAMTRAKで旅行したことがあります。片道延々19時間、お金がなかったので、映画のような個室ではなく普通席、食堂車を利用することもありませんでした。往きも帰りもあまり眠ることが出来ず、ひたすら本を読んでいたものです。この列車の中で、
「刑事ジョン・ブック 目撃者」
(1985)に登場したアーミッシュの人たちを見かけ、クルマはダメでも列車はいいのかな、なんてことを思った覚えがあります。ちなみにAMTRAKのシカゴ・ユニオン駅は、
「アンタッチャブル」
(1987)のクライマックスの銃撃戦が撮影された場所。乳母車がスローモーションで階段を転がり落ちる"オデッサの階段"に立ったときは、おお映画とまったく同じだ(当たり前ですが)、と大感激して写真を撮りまくってしまいました。
ニューヨークやフロリダ、それにイリノイからほぼ真南にあるニューオーリンズまではドライブしたことがあるのですが、中西部以西に足を延ばすときはいつも飛行機を使っていて、今思えば映画のように、一度くらいはクルマで旅行すればよかったなあと後悔しています。たとえ今からやろうと思っても、レンタカーで実行するとなるとかなり高くつきそうなので...
* * * * *
映画の最初から最後まで、ジャックは黒革のハーフ・コートを着たきりで、少しオツムの弱いセラノの子分に
"That's a nice Coat."
などと羨ましがられているのですが、当時、私もかなりカッコいいと思ってしまいました、そのコート。というわけで、さっそく似たような黒革のハーフ・コートを買い、以来、穴があいても縫ったりして二十年近く着倒してきましたが、昨冬、傷みがひどくなったりカビが生えたりで、とうとう使い物にならなくなってしまいました。またぞろ新しい一着を、と思う今日この頃なのです。
ミッドナイト・ラン
(原題:
Midnight Run
)
製作国: 米国
公開: 1988年
監督: マーティン・ブレスト
製作総指揮: ウィリアム・S・ギルモア
製作: マーティン・ブレスト
脚本: ジョージ・ギャロ
出演: ロバート・デニーロ/チャールズ・グローディン/ヤフェット・コットー
音楽: ダニー・エルフマン
撮影: ドナルド・ソーリン
美術: アンジェロ・グラハム
編集: ビリー・ウェバー/クリス・レベンゾン
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2008-11-29
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] >miriさん
こんばんわ、いつも読んでくださってありがとうございます。
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七人の侍
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ツィゴイネルワイゼン
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男はつらいよ 寅次郎恋歌
男はつらいよ 寅次郎忘れな草
男はつらいよ 寅次郎相合い傘
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
武蔵野夫人
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
洋画の紹介
第三の男
ブレードランナー
ゴッドファーザーPARTII
羊たちの沈黙
ミッドナイト・ラン
スカーフェイス
ビッグ・ウェンズデー
ゴッドファーザー
駅馬車
荒野の決闘
ダンス・ウィズ・ウルブズ
燃えよドラゴン
スパルタンX
ターミネーター2
パルプ・フィクション
アパートの鍵貸します
引き裂かれたカーテン
めまい
夜の大捜査線
地獄の黙示録 特別完全版
サンセット大通り
モーターサイクル・ダイアリーズ
8 1/2
真夜中のカーボーイ
スティング
プラトーン
ダイ・ハード
赤ちゃんに乾杯!
太陽がいっぱい
マルホランド・ドライブ
薔薇の名前
リバー・ランズ・スルー・イット
ルートヴィヒ
M★A★S★H マッシュ
バック・トゥ・ザ・フューチャー
タクシードライバー
エンゼル・ハート
バグダッド・カフェ 完全版
未来世紀ブラジル
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ミシシッピー・バーニング
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「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて
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デ・ニーロが好きではなかったのですが、この作品はすっごく好感持てました。
こちらの記事はいつものように詳しくて、ホントによく分からなかった部分も、分かるようになり、助かります。
>この移動手段の変更を余儀なくさせられる理由をいかにうまくつけるかが、逃亡系ロード・ムービーを面白くするひとつのキモだと思うのですが、この映画はそのあたりもばっちりなのです。
このあたり面白かったですね!
mardigrasさんはアメリカの地図が頭に入っているのでしょうから、余計面白かったと思います。
今年の5月に見たのです!!!
感想の駄文のURLをいれさせてもらいましたので、もしお時間があれば、お願いいたします。
ところで、今月も「ブログ DE ロードショー」 のご案内に参りました。
(おめでたい事に、1周年です♪)
作品名:『カプリコン・1』
(1977年・アメリカ/イギリス製作作品 監督はピーター・ハイアムズ)です。
今月の、この作品を選んでくださったのは、 「 MOVIE−DIC 」 の 白くじらさんです。
(白くじらさんは、この企画に第4回目から参加して下さっています☆)
選んで下さった理由は
1・未だに実現していない火星有人探査を扱いながら、今でもありえそうな
出来事という恐怖を、みなさんと味わいたいため。(^^;
2・最近、火星関係の作品を観て懐かしくなったため。
3・まるで生き物のようなヘリにまた会いたくなったため。
4・「ブログ DE ロードショー」一周年ということでここはSFかな!と。
5・といいながらもSFというよりはサスペンス仕立てなので、すんなり入れるかなと思って。
・・・との事です。
鑑賞日は7月9日(金)〜11日(日)の三日間です。(お忙しくてご都合の悪い場合は後日でも結構ですよ〜!)
是非、皆さんと、一緒の時期に、同じ映画を見て、ワイワイ言い合いたいと思います。
(感想・レビューは強制ではありません)
なお、このDVDは、大きなレンタルのお店に、存在するとおもわれますので、宜しくお願いします。
(っていうか、懐かしいって感じ?)