誰が名付けたか、「夜の大捜査線」(1967)。いったいどのあたりが"夜の大捜査線"なのか、何度観直してもよくわからないのですが――原題は、"In the Heat of the Night"(夜の熱気の中で)。1960年代半ば、まだ露骨な人種差別が存在していたアメリカ南部の田舎町で起きた殺人事件をめぐるミステリです。
続けてギレスピーが、「フィラデルフィアでは何と呼ばれてるんだ」と訊くと、ヴァージルは怒りを込めた口調で、「ミスター・ティッブスだ!」と答えます。その返事を聞いたギレスピーは、一瞬、虚を突かれた表情をします。この時代の南部では、敬称もまた、あくまで白人のためのものだったのですね(ちなみに、この、"They call me Mr. Tibbs!"というセリフ、本作の続編、「続 夜の大捜査線」(1970)の原題となっています)。
映画を選ぶ時の参考にさせていただきました。
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