番外編: この映画の原作がすごい!(国内編)

「八墓村」のイラスト(山崎努)

外編60冊に続き、国内の最高に面白い映画原作本40冊の紹介です(イラストは私の小学生時代のトラウマ映画、「八墓村」(1977)の山崎努)。観ている映画の本数は、邦画よりも洋画(特にアメリカ映画)の方が圧倒的に多いのですが、読んでる本というと国内モノの方がかなり多かったりします。なので面白かった本、といって思い出すのは国内モノの方がだんぜん多いわけですが...いざそれらの中から映画化されているものを、とピックアップしてみると、結局海外モノの方が多くなってしまいました。要するに、国内の本にはまだまだ映画化されていない面白本がたくさんあるということですね。


かといって、それらを映画化してほしいかとなると、そこはとても複雑。自分が勝手に抱いている作品のイメージを壊されたくないということもあり、思い入れのある本であればあるほどあまり安易に映画化してほしくないなんて思ってしまったりもします。今回並べた本の中にも、自分が想像しているキャラクターとイメージの違うキャストのものがけっこうあって、そういう場合は君子(じゃありませんが)危うきに近寄らず、映画の評判いかんに係わらず、なるべく観ないようにしています。逆に、キャストがまさに自分のイメージしていたとおり、という奇跡的な映画もたまにあって、そんな作品にはめったやたらな愛情を感じてしまったりします。

というわけで、そんなあれやこれやもひっくるめた国内の映画原作本ベスト40のご紹介。どれもこれも読み始めたら時を忘れること請け合いのオモシロ本ばかりです。


小説名からAmazonの該当書籍のページにリンクしています。ご興味ある本のあらすじは、どうぞそちらでご確認を。なお、国内編は海外編と違って絶版なし。版元が変わったものもありますが、すべて入手可能。素晴らしいことです。

この原作がすごい!(国内編) *原作名の五十音順
原作名著者映画化作品ひとこと
OUT桐野夏生OUT(2002)東京郊外の私の出身地が舞台。土地勘のおかげでリアリティ倍増。ありえなさそうな話に思えましたが、数年後、似たような事件が起こってびっくりしたものです。桐野夏生(と花村萬月)の小説は私にとってナマな痛みを感じさせるものが多く、よっぽどエネルギーのあるときじゃないと手が出ません。
姑獲鳥の夏京極夏彦姑獲鳥の夏(2005)"京極堂シリーズ"の第一作。映画はコワくて観てません(原作のイメージが壊れるのがコワい、という意味)。私にとってのベストはシリーズ4作目、「鉄鼠の檻」。本格推理小説のならわし、このシリーズも回を追うごとに、だんだん面白さ(トリックの強烈さ)がパワーダウンしているように思えます。とはいえ次回作の待ち遠しさはかなりのものです。
唐獅子株式会社小林信彦唐獅子株式会社(1983)大爆笑のパロディ小説。続編もあります。中学生の頃に読んで、あまりの面白さに感心してしまい、似たような小説を真似して書こうとしたりしたものです(とうぜん書けるわけがない)。文章そのものに面白みが詰まった小説ですが、はたして映画に移し変えることができたんでしょうか...映画化に際してのドタバタは、小林信彦著「天才伝説 横山やすし」に詳しいです(横山やすしが主演)。
飢餓海峡水上勉飢餓海峡(1965)小説も映画もどっちも素晴らしい。高校生の頃に"推理小説"として読みましたが、今思えば人間ドラマといった方がふさわしい内容。映画は左幸子の明るくいじらしい娼婦が印象的でした。
クライマーズ・ハイ横山秀夫クライマーズ・ハイ(2008)日航ジャンボ機の御巣鷹山墜落を題材にした小説ですが、登山小説でもあります。私にとって横山秀夫はいまもっとも信用できる作家の一人。新作が出るたびに読んでます。ベストは短編集の「第三の時効」。NHKのドラマと映画、どちらも観ましたが、ドラマの方がよかった気がします。
黒い家貴志祐介黒い家(1999)海外、国内に限らず、これまでに読んだもっともコワい小説。少しあとに、これとそっくりな事件が現実に起きて、震撼させられました。貴志祐介の小説も新刊が出るたびに必ず読んでます。
真田太平記池波正太郎真田太平記(1985-1986)
*TVドラマ
池波小説の集大成。単行本で全16巻。高校時代の夏休みに一気に読みました。あまりに面白くて、この後、"剣客商売シリーズ"、"鬼平犯科帳シリーズ"へとはまっていったのでした。NHKで1年間にわたって放映されたドラマもよかったです。
サラサーテの盤内田百ツィゴイネルワイゼン(1980)文豪の書いたミステリーを集めたアンソロジーに収録されていたのを読んだのが初めてだったのですが、中でもだんぜん面白かったのがこの幻想的な短編小説。映画は原作のテイストを保ちながらも、型破りな語り口と映像で、観ようによってはまったく違う世界を創り出してしまった大傑作。ビバ、清順!(「ツィゴイネルワイゼン」の記事でより詳しく紹介しています)
三四郎夏目漱石三四郎(1955)私にとって夏目漱石といえば「三四郎」か「坊ちゃん」。「三四郎」は高校から大学の時期にかなりはまってしまった青春小説。「坊ちゃん」は国内史上最高のユーモア小説だと思います。
地獄変芥川龍之介地獄変(1969)芥川龍之介も大好きな作家。中でもやっぱり王朝モノが面白い。でも調てみたら王朝モノで映画化されてるのは、この作品と「藪の中」くらいでした。「藪の中」の映画化作品、「羅生門」は好きな映画のひとつですが、小説としては「地獄変」の方が好みです。
刺青殺人事件高木彬光刺青殺人事件(1963)いわゆる本格推理小説というと、まっさきに名前の浮かぶ作品のひとつ。これも高校生の頃に読んだものですが、トリックに驚嘆した記憶があります。この頃の、推理小説の名作を片っ端から紐解いていた時期というのは、まさに一生に一度の幸福でぜいたくな時間だったのだなぁとしみじみ思います。
終戦のローレライ福井晴敏ローレライ(2005)戦争モノというよりは御伽噺。ほとんどマンガ、というよりアニメチックです。読み始めたら面白くて止まりませんでした。これも映画化されている「亡国のイージス」も面白かったです。
重力ピエロ伊坂幸太郎重力ピエロ(2009)映画は今年公開予定。伊坂幸太郎の小説の中でも1、2を争う面白さでした。この作家のテイストは正直なところあまり趣味じゃないのですが、新刊が出るとついつい読んででしまい、そしてそのたびに、上手いなぁ、と感心してしまいます。
仁義なき戦い
-美能幸三の手記より
(死闘篇) (決戦篇)
飯干晃一仁義なき戦い(1973)本より先に映画を観ています。関係者の手記をもとにした実録ルポ。映画と違って登場人物はみな実名。映画もシリーズ五作、続く「新仁義なき戦い」三作、すべて大好きです。特に第三作の「代理戦争」と続く第四作の「頂上作戦」が最高。小林旭にシビれました。
新宿鮫大沢在昌眠らない街 新宿鮫(1993)"新宿鮫シリーズ"の記念すべき第一作。このシリーズはどれもこれも水準以上の面白さですが、私のベストは第二作目の「毒猿」。映画の真田広之は頭の中で思い描いていた鮫島のイメージとまったく違ってて、ちょっと観る気になれません。
砂の女安部公房砂の女(1964)SFのような雰囲気さえ漂う不条理小説。小説も映画も大好き、何度も読んで、何度も観ています。映画は小説世界を完璧といっていいほど見事にビジュアル化していて驚きました(「砂の女」の記事でより詳しく紹介しています)。
ゼロの焦点松本清張ゼロの焦点(1961)松本清張から何かひとつ、と思ったのですが、いろいろあって迷いました。「ゼロの焦点」は北陸の風景描写が好きで、唯一再読したもの。モノクロの映画も雰囲気があってよかったです。清張原作の映画では、「張り込み」とか「砂の器」の評価が高いですが、私のベストは岩下志麻と桃井かおりの演技合戦がすごかった「疑惑」。
大誘拐天藤真大誘拐 RAINBOW KIDS
(1991)
最高のユーモア小説であり、最高のゲーム小説。誘拐という犯罪を扱っているのに読後感が驚くほど爽やかです。映画は、昔観たとき面白かった記憶があるのですが、つい最近TVで再見して、途中でギブアップしてしまいました(劇中に流れるジャパニーズ・ラップ、それに主役たちの演技についていけなかった)
劒岳 点の記新田次郎劒岳 点の記(2009)「八甲田山 死の彷徨」と迷いましたが(映画も面白い)...ストレートな山岳小説のこっちを挙げます。山岳小説の大家、新田次郎の小説はもうすべてが好ましいです。本作の映画は今年公開予定。昨年、立山縦走したときに、ある山小屋に撮影風景を写した写真がいくつか飾ってありました。ぜひ観てみたい映画です。
帝都物語荒俣宏帝都物語(1988)原作は全10冊。オチといえるようなオチがなく、ひたすらだらだらと惰性で読み続けた記憶がありますが、しかしなんだかんだで読んでる間はかなり楽しめました。映画で、魔人・加藤を演じた嶋田久作は、信じられないくらい原作のイメージどおりで、ターミネーターのシュワルツネッガーのようなはまりっぷりでした。
破獄吉村昭破獄(1985) *TVドラマ吉村昭の小説(この人の場合はたいてい実話に基づくお話)で最も好きな作品のひとつ。ドラマはNHK製作で緒形拳出演。看守の役を津川雅彦が演じていて、二人の丁々発止のやり取りが素晴らしい。先日、緒形拳が亡くなったときに、BSで再放送していました。緒形拳は、何を考えてるのかよくわからない犯罪者のわけのわからなさを表現するのがホントに上手な俳優さんでした。ほか吉村小説が原作の映画では、「魚影の群れ」が面白かったです。
ドグラ・マグラ夢野久作ドグラ・マグラ(1988)読むと一度は精神に変調をきたすといわれる日本の推理小説"三大奇書"の一冊。ほかの二冊はまともに筋を追える話なのですが、こればかりは確かにわけがわからなくて、読みながらストーリーを整理しようとするとこんがらがって頭が痛くなります。これまでに三度読んでますが、どうしても、よしわかった!と言い切れない気のする小説。映画は未見ですが、こんなもの、いったいどんな映画にしたのでしょうか。
逃がれの街北方謙三逃がれの街(1983)北方謙三でいちばん好きな小説。やたら感情移入してしまったロード・ノベルです。あまり話題にならなかった気がしますが、水谷豊主演の映画(工藤栄一監督)もかなりよかったです。財津一郎の悪役っぷりがが最高でした。
バトル・ロワイアル高見広春バトル・ロワイアル(2000)ひたすらバイオレンスなゲーム小説。その過激な設定に賛否両論ありましたが、私は単なる物語として楽しく読みました。原作に出てくる高校教師、坂持金発先生は、金八先生のパロディ。映画ではビートたけしが演じていましたが(役名は違う)、武田鉄也がやってくれたら最高のパロディ映画になったことでしょう...
氷壁井上靖氷壁(1958)昔から山岳小説が大好きなのですが、これはその中でも最も好きな作品のひとつ。映画は未見です。数年前にNHKでTVドラマをやってましたが、こちらも観たかったのに観逃してしまいました。リハビリが順調にいけば...ですが、今年は前穂か槍ヶ岳あたりに行きたいと思ってます(もちろん岸壁登攀じゃなくて一般ルートで)。
復讐するは我にあり佐木隆三復讐するは我にあり
(1979)
原作読むよりも先に映画を観ました。実際の連続強盗殺人犯をモデルにしたノンフィクション・ノベル。映画を観ても原作を読んでも、榎津という人間の心はまったく理解できません。映画を観たのは中学生の頃で、小学生時代の「八墓村」に続く私のトラウマ映画第二弾。緒形拳のせいで、急に世の中がコワくなってしまいました(「復讐するは我にあり」の記事でより詳しく紹介しています)。
不夜城馳星周不夜城(1998)(少しは「新宿鮫」のせいでもありますが、)おもに本作のせいで、一時、新宿という街がやたらきな臭く感じるようになってしまいました。力のある作家がそうしようと思えば、物語世界をいくらでも暗く残酷に描くことができることと思いますが、私が楽しめるボーダーはこの作品あたりまでです。
不連続殺人事件坂口安吾不連続殺人事件(1977)坂口安吾が探偵小説に挑戦した作品。同じトリックの小説がクリスティにありますが、そっちを知ってたにもかかわらず、気持ちよくころっとだまされました。ちなみに安吾は高木彬光の「刺青殺人事件」を失敗作だと切って捨ててます(途中で犯人がわかったから、というのがその理由ですが、なんとも無垢な読者という感じでよいですね)。
ぼっけえ、きょうてえ岩井志麻子インプリント
~ぼっけえ、きょうてえ~
(2005)
確かたったの50ページくらい。しかし岡山弁の語りがホントにおそろしく、ホラーらしいホラーとして、かなり怖がらせてもらいました。実に映画向きの(映像でこそ本領を発揮しそうな)小説だと思うのですが、アメリカ資本で作られた映画は全編英語だそう。これ、岡山弁じゃないとだめなのでは?ストレートに映画化してこそ真価を発揮する作品だと思うので、再映画化に期待です。
ホワイトアウト真保裕一ホワイトアウト(2000)国内最高の冒険小説のひとつ。雪山、しかも黒部が舞台というだけで熱くなってしまうのですが、冷静に考えると、ちょっと日本離れした内容で、映像にしてしまうと嘘くささが滲み出てしまいそうな作品です(ダイ・ハード・チックなところがある)。というわけで映画観てみるかどうか、ずーっと悩んでます。
マークスの山高村薫マークスの山(1995)デビューから読み続けていた高村薫がずいぶん読みやすくなった、と驚いた小説。"合田刑事シリーズ"の第一作。南アルプスが出てくるのですが。私の場合、山が絡むだけで得点アップです。映画で主役の合田刑事を演じているのは中井貴一。私のイメージとかなり違うため、観ていません。
麻雀放浪記
青春編
阿佐田哲也麻雀放浪記(1984)おそらくこれまでにもっとも繰り返し読んだ小説。原作はこのあと「風雲篇」「激闘篇」「番外篇」と続き、さらに数十年後を描いた「新麻雀放浪記」という作品があります。どれもこれも青春&ピカレスク小説の大傑作で、はじめて読んだとき以来、いつでも読めるよう、つねに手元に置いてあります(アメリカではわざわざ日本書店で買いなおしたくらい)。和田誠監督の映画も最高で、キャストが奇跡的です。特に鹿賀丈史のドサ健はオール・タイム・ベスト・キャスティングといいたいくらい。ドサ健が主役の「ドサ健ばくち地獄」という本もあるのですが、鹿賀丈史が元気なうちになんとか映画化してくれないものか、と念じています。
三たびの海峡帚木蓬生三たびの海峡(1995)帚木蓬生の小説の中で、飛び抜けて面白かった一冊。戦時中、日本に強制連行された朝鮮人の男の話。三國連太郎が主役の映画はかなり楽しみにしていたのですが、残念がらもうひとつ。
宮本武蔵吉川英治宮本武蔵
(1961-1965)ほか
全8冊。就職前の休みに一気読みしました。波乱万丈、こんなに面白い大河小説も滅多にありません。これまでで最高に幸せな読書体験のひとつです。
武蔵野夫人大岡昇平武蔵野夫人(1951)小説よりも、溝口健二監督の映画「武蔵野夫人」を先に観ました。武蔵野に生まれ育ったので、ひときわ思い入れのある小説です。映画はあまり評価が高くないようですが、私にとっては溝口映画のベストです。大岡昌平原作では、野村芳太郎監督で映画化された「事件」も面白かったです。
八つ墓村横溝正史八つ墓村 (1977)ほか推理小説というよりも冒険小説といいたい本作。そして推理モノというよりはほとんどホラーといいたい映画...渥美清が金田一耕助を演じた1978年版の「八墓村」は、私にとってのトラウマ映画ナンバー・ワン。小学生のときに観て、観なきゃよかったと心底後悔しました。まあ今観ると相当あざといコワさなのですが...それでも朝靄の中、満開の桜並木をバックに銃と刀を担いで走ってくる山崎努の異常なテンションは、ほかに類を見ない恐ろしさでした。近所に猟銃を持ってる人がいたのですが、あのおやじのアタマがもしおかしくなったら、と思うとコワくて仕方ありませんでした。本作以外の横溝小説では、月並みですが「悪魔の手毬唄」、「獄門島」あたりが私のベスト。映画だと「悪魔の手毬唄」、それにビートルズのLet It Beを上手に使った「悪霊島」もよかったです。
屋根裏の散歩者江戸川乱歩屋根裏の散歩者(1992)江戸川乱歩の短編小説はどれといって選びようのないくらい、好きな作品ばかりです。いろいろと映画化されているのですが、とりあえずこれ。新潮文庫から出ている名作中の名作を集めた短編集(ただし「押絵と旅する男」が未収録)は、何度読み返したかわかりません。
雪国川端康成雪国(1957)ほかゆえあって関越本線には何度も乗ったことがあり、小説の冒頭の、あの、あまりにも有名な一説に描写された、清水トンネルをくぐりぬけるときの雰囲気を何度も味わったものです。映画はつい最近観たのですが、日本人離れした容姿で芸者姿は似合わないんじゃないかと思っていた岸恵子の駒子が予想に反して素晴らしかったです。
竜馬がゆく司馬遼太郎竜馬がゆく(1968)
*TVドラマ
いちばん好きな小説、というよりも私にとっていちばん大切な小説、といった感じです。留学、就職、転職...人生の転機、と思えるタイミングでいつも読み返してきたような気がします。北大路欣也主演の大河ドラマ、現存するフィルムが1話分しかないそうで、今となっては観ることができません。う~ん、残念。
リング鈴木光司リング(1998)ほか10年以上前のこと、仕事で千葉に出かけた際に電車の中で読み始めたら止まらなくなって、あと少しで読み終わる、というときに目的地に着いてしまい、仕方ないので訪問先に電話してアポを30分先延ばしにしてもらい、終わるまでデニーズで読み続けました(バカ)。映画もよくできていたと思います。



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[C70] うーん。。。

『飢餓海峡』
『ツィゴイネルワイゼン』
『疑惑』
『復讐するは我にあり』
『不夜城』
『麻雀放浪記』
『八つ墓村』
7作品も、ひっかかって?しまいました。(笑)

奇しくも、そのうちの一作品は、
昨日、今日と、
風邪で布団にもぐり込みながら、DVDで観ていました。
「帰る道ねえぞー。戻る道ねえぞー。」という、
八重の声が、まだ頭の中でこだましてます。(笑)
体力の回復を待って、近日ブログ・アップ予定です。

確かに、『八つ墓村』は、トラウマ映画ですねー。
公開時にテレビCMでいきなり流れる度に、小学生だった私は、慌てて眼を背けたり、眼を瞑ったりしてました。
その後、テレビか何かで、最初に観たのはいつだったか忘れてしまいましたが、思ったほど怖くなかったことが、良かったのか悪かったのかは微妙でしたが、
実話を基にしているという点だけでなく、あのビジュアル的な秀逸さは、今でも、なかなかアレを凌ぐ迫力には出逢えていないかも。

『疑惑』、『復讐するは我にあり』は、
骨太なピカレスク・ロマンを感じるところがあって、
妙に痛快で、カタルシスあります。
『不夜城』は、これらとは違うものの、
あそこまで、救いがない話だと、かえってカタルシスあって、
しばらく、馳星周の小説にはまっていた時期がありました。

『ツィゴイネルワイゼン』、『麻雀放浪記』は、
それぞれ質の違うカッコ好さがありますよねー。
何度観てもシビレます。
  • 2009-01-12 19:45
  • シネマで現実逃避
  • URL
  • 編集

[C71] >シネマで現実逃避さん

体調の悪いときに、これまたずいぶんまたヘビーな映画をセレクトされましたね(笑)。
左幸子は、なんとなく土の匂いを感じさせる土着的なところがあって、八重ははまり役だったと思います。

はは、目を瞑りましたか。CMってたしか「たたりじゃ~」ってやつですよね。本当にコワかったですね~。昔、中国地方を旅行したとき、ヒントになった事件のあった津山までわざわざ足を延ばしてしまったものです(物好き)。

エルロイ・ファンならやっぱり馳星周はには手が出てしまいますね。あの手の国内小説がほとんどなかったので、出てきたときはホント新鮮でした。

「飢餓海峡」の記事楽しみにしております。が、まずは早く風邪が治りますよう、どうぞお大事に...

[C72] なぜか?

山崎豊子原作の作品がないんですね・・・
何本か映画でみました、あっドラマかなー
原作はもちろんよく、映画もよかったような・・・

「麻雀放浪記」は原作は好きで夢中で読んだのに
映画はみていませんでした。

結構日本映画も見ていることがわかりました。
映画大好きだもんね~
  • 2009-01-13 00:05
  • ヘルブラウ
  • URL
  • 編集

[C73] >ヘルブラウさん

山崎豊子忘れてました...
「沈まぬ太陽」がよかったですが、映画化はされてないみたいですね。
「二つの祖国」はNHKのドラマも面白かったです。

「麻雀放浪記」のキャスト最高ですから、機会があればぜひ。

日本映画も観てますよ~。でも海外モノ以上に、昔の作品ばかりかもしれません...

[C78] イラスト 迫力ありますね 凄い♪

私も映画は海外、読書は国内作品が多いです。

竜馬がゆく 私も 大事大事な心の本です。♪

松本清張ものいいですね。
題名忘れたのですけど、昔の作品で一人の男の人生がボタンの掛け違い的に狂っていく、
岩下志麻が奥さんで市原悦子が愛人役の映画。面白かった♪

クライマーズ・ハイ TVで見ました。
あの時間帯にやっていたドラマ他も面白かった。♪

雨上がる も ほのぼのでいいですよ。
あと藤沢修平の映画化とかも、、、本にはまってしまった。♪
キャストにちょっとそれぞれ不満ありなのですけど、、

シャル・ウィ・ダンス たそがれ清兵衛も良かった。 かな♪

[C79] >whitypearlさん

イラストは描いてて気持ち悪かったです(笑)。でもトラウマ克服のためにがんばりました(笑)。

whitypearlさんもいろいろ読まれてそうですね!
私も含め、映画好き=物語好きだから、本が好きな人も多いんでしょうね...

「竜馬がゆく」は、そう、私にとってもまさに心の本という感じです。

松本清張の作品は何でしょう...たぶん私は観てないと思うのですが、岩下志麻と市原悦子のキャストで清張原作なら、それだけで間違いなく面白そうです。松本清張ってたいていの作品が映画化、ドラマ化されている気がします。内容的にドラマ化しやすいのでしょうね。

藤沢周平!もすっかり忘れてました。いいですよね~。そうだそうだ...数年前にいくつか映画化されましたね。当時務めてた会社の上司がやたら褒めてて、社内報にエッセイ書いてました(笑)。いずれ観てみないと!

シャル・ウィ・ダンスは、DVDレコーダーに録画しっ放しでハード・ディスクの肥しになってるのですが(笑)...近いうちに観てみようと思います!

[C80] 最近、読むのは国内本ばかりです。

山崎努の「八墓村」って、金田一耕助が渥美清!ですよね。横溝映画では、コレが一番好きです。「OUT」は映画よりTVドラマのほうが良かったけれど、原作が一番良かったです。
私の出身地は違いますが(笑)荒涼とした主婦の日常が、リアルに感じられる小説でした。 桐野夏生は一時ハマりますよね。
「竜馬がゆく」とか、もう映像化しなくてよいです(笑)大切に、頭の中でとっときたいです。
名作!とはいきませんが、原作と映画が見事マッチングしてたのは『クワイエットルームにようこそ』だと、思います。これは、原作、脚本、監督、すべて「松尾スズキ」同じ人物だったからです(笑)

実写化って、難しいですよね...。
Mardigrasさんがおっしゃるように、原作が好きな場合、映画化してほしいかどうか...となると、そこはとても複雑です。
原作知らずに映画を観たほうが、幸せな事もあります。

[C82] >あんさん

あんさんもいろいろ読まれてそうですね~。

そうです、「八墓村」は渥美金田一のやつです!(ぜんぜん目立たなかったですが。笑)。私はこれか「悪魔の手毬唄」あたりですかね~。
「OUT」のTVドラマがあったとは知りませんでした。やっぱり原作の舞台にロケしてるんだろうか...
そうですね、「竜馬がゆく」は、あまり二枚目だけの若い役者さんにやってほしくないというか...新しく作られても、おそらく観ないでしょうね...
松尾スズキの本って読んだことないんですが、以前なにかのコラムを読んで爆笑した覚えがあります。才能ある人ですよね。そのうち読んでみたい作家の一人です。

確かに、原作知らずに映画を観た方が幸せなケースもありますね。いま「ノーカントリー」を先に観るか、原作を先に読むか、迷っているところです...

[C824] 吉村昭

Mardigrasさん こんにちは~
吉村昭の『破獄』 が最も好きな作品のひとつになっているのがうれしいです。何でって・・・ 私の故郷にその
監獄があるんです。今は監獄博物館になっていて見学ができます。
一見の価値がありますよ。勿論、破獄の主人公もリアルな人形で蜘蛛のような格好で天井に張り付いていました。
吉村昭の作品は、好きなのがいっぱいでどれが一番とは、決めにくいです。『熊嵐』も実話なので、かなりショッキングでしたが、好きな作品です。映像化するのはむずかしいですね。
『魚影の群れ』 は読んでいますが、観ていません。、確か、夏目雅子さんが出演していましたね。
『幸福の黄色いハンカチ』で刑務所を出たばかりの健さんがラーメンを食べる場面がありますよね。あの
食べっぷりを見ると、吉村昭の『仮釈放』の主人公を思い出します。仮釈放されて食べたラーメンがどんなに、おいしかったか・・・そこが妙に印象深く、健さんの見事な食べっぷりと重なります。

マークスの山は以前,NHKでやっていて、合田刑事の役を確か三浦友和が演じていた記憶があります。
アンニュイな空気、上手く纏っていてイメージどおりでした。
  • 2011-07-23 14:20
  • おりんこ
  • URL
  • 編集

[C825] >おりんこさん

こんにちは、旧記事へのコメントありがとうございます!

"オホーツクの見える"おりんこさんの出身地って、網走だったんですね~。もしかしたらそうかな?と思ってました。私、一度だけ網走刑務所に行ったことあるんですが(「遙かなる―」のロケ地を初めて訪れたときです)、でも入り口までで中には入らなかったんですよ(警備員の人に写真を撮って下さいとお願いしてにべもなく断られました。当たり前ですね)。。。天井に蜘蛛のように張りつく主人公、、、う~、もうそれだけで見たいです!!二年前にも網走を訪れたのですが、食事とコインランドリーでの洗濯だけで通過してしまいました。あああ、痛恨です。次行く機会があれば必ず寄ります!

吉村昭は、私はもう「破獄」が断然好きで、そして二番目に好きなのが「熊嵐」、三番目が「赤い人」なんです!考えてみれば、全部北海道が舞台です。「魚影の群れ」は私は映画は観てるんですが、原作は未読なんですよ。。。そういえば、この映画の主役も緒形拳でした。とことん厳しいドラマでしたが、夏目雅子が長い坂道を自転車で一気に下るところをロングの長回しで捉えた爽快な場面があって、ここだけは思わず笑顔になってしまった記憶があります。

「幸福の黄色いハンカチ」の健さんの食事場面は最高ですよね~!!網走に行ったときに真似してラーメンとカツ丼食べたんですよ(高校卒業したばかりだったのでビールは呑みませんでしたが)。「仮釈放」は読んだことないんですが、興味が涌きました。次に図書館行ったときにでも借りて読んでみますね。

「マークスの山」、NHKでもドラマ化してたんですね。三浦友和の合田刑事、、、私の中ではちょっとイメージが違うんですが(笑)、、、でもおりんこさんがそうおっしゃるなら、機会があったらきっと観てみます!
  • 2011-07-24 11:18
  • Mardigras
  • URL
  • 編集

[C827] 吉村昭

Mardigras さん、こんばんは~
好きな作家の好きな作品名を眼にすると、「ああ、もう一度」って気になります。三番目が「赤い人」ですか。では「破船」なんかは何番目でしょう?「孤独な噴水」 「海も暮れきる」も好きです。「海も暮れきる」は、以前、NHKドラマでやっていました。尾崎放哉役を橋爪功さんがやっていましたが、最近になって、渥美清さんが尾崎放哉役をやりたかったということを知って胸が衝かれる思いをしました。渥美さんの尾崎放哉が見たかったです。

健さんがラーメンとかつ丼とビールを。Mardigrasさんが
高校生の時にラーメンとかつ丼を注文した食堂、まだ、営業していますよ。(たぶん)去年、網走に行った時、たまたま入ったお店。私はラーメンを注文したんですが、昔ながらの食堂。厨房、メニューの文字、椅子もテーブルも、昔風だったので、よく覚えていたのですが、録画したまま観ていなかった「幸福の黄色いハンカチ」を見て「あ、あの食堂だ」って思い至ったんです。網走がいっぱい出てくるので、もっと早く観ておけば良かったのにって思いました。

中標津、行くことに決めました。富良野も。
Mardigras さんのブログを読んでから、「是非行きたい」って気持ちが強くなり、根室中標津の空港から旅を
始めることにしました。
Mardigras さんのブログ、印刷させてもらいますね。
中標津に持って行きます。



  • 2011-07-26 22:50
  • おりんこ
  • URL
  • 編集

[C828] >おりんこさん

こんにちは!
「破船」はベスト5に入ってます(笑)。ほかには「高熱隧道」、「水の葬列」、「北天の星」、そうそう、「千巻武蔵」も面白かった。。。こうして振り返ってみると、吉村昭もハズレがないというか、がっかりさせられた記憶がほとんどありません。文章力や表現力もさることながら、まずテーマを見つけるのが抜群にうまい作家だなと思います。「海も暮れきる」は放哉ですか。。。こちらも「孤独な噴水」も読んだことないんですが、まだまだお楽しみが残ってるな~という感じです。

ラーメンとかつ丼を食べた店、、、私が入ったのは、残念ながら映画に出てきたお店ではないんですよ(あきらかにもっと新しかったです)。。。あくまで"気分"を味わったってことで(笑)。2年前に行ったときはそのお店はなくなってたのですが、映画のお店がまだ営業してたならぜひ行きたかったです~!(クルマだったのでいずれにしろビールは×でしたが。笑)。

中標津、行かれることにしたんですね~!!となると養老牛も。。。ですね!記事を持っていっていただけるなんて光栄です。上武佐は、空港からほぼ真北にほんの数キロくらいの距離だったと思います。。。いいですね~、私もまた行きたくなってきました(笑)。いまから旅行記(書かれますよね?)が楽しみです!
  • 2011-07-27 10:37
  • Mardigras
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Index

邦画の紹介
椿三十郎
七人の侍
用心棒
ツィゴイネルワイゼン
遙かなる山の呼び声
復讐するは我にあり
砂の女
男はつらいよ 寅次郎恋歌
男はつらいよ 寅次郎忘れな草
男はつらいよ 寅次郎相合い傘
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
武蔵野夫人
仁義なき戦い
麻雀放浪記
幸福の黄色いハンカチ
悪魔の手毬唄
夜叉
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
姿三四郎
劔岳 点の記
影武者
洋画の紹介
第三の男
ブレードランナー
ゴッドファーザーPARTII
羊たちの沈黙
ミッドナイト・ラン
スカーフェイス
ビッグ・ウェンズデー
ゴッドファーザー
駅馬車
荒野の決闘
ダンス・ウィズ・ウルブズ
燃えよドラゴン
スパルタンX
ターミネーター2
パルプ・フィクション
アパートの鍵貸します
引き裂かれたカーテン
めまい
夜の大捜査線
地獄の黙示録 特別完全版
サンセット大通り
モーターサイクル・ダイアリーズ
8 1/2
真夜中のカーボーイ
スティング
プラトーン
ダイ・ハード
赤ちゃんに乾杯!
太陽がいっぱい
マルホランド・ドライブ
薔薇の名前
リバー・ランズ・スルー・イット
ルートヴィヒ
M★A★S★H マッシュ
バック・トゥ・ザ・フューチャー
タクシードライバー
エンゼル・ハート
バグダッド・カフェ 完全版
未来世紀ブラジル
明日に向って撃て!
恐怖の報酬
レスラー

キル・ビルVol.2
2001年宇宙の旅
ブリキの太鼓
ジュラシック・パーク
十二人の怒れる男
ゲッタウェイ
ミシシッピー・バーニング
ベルリン・天使の詩
裏切りのサーカス
ブラック・レイン
アマデウス
遠い空の向こうに
カプリコン・1
その他映画関連
いとしの映画音楽
この邦題がすごい!
この映画の原作がすごい!(海外編)
この映画の原作がすごい!(国内編)
あの映画のコレが食べたい!
2010年イラスト・カレンダー
「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて
2011年イラスト・カレンダー
続・この映画の原作がすごい!(上)
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シネマ・イラストレイテッド in TSUTAYA
「劔岳 点の記」を訪ねて
その後のシネマ・イラストレイテッド in TSUTAYA
「夜叉」を訪ねて
「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて(その2)
2014年イラスト・カレンダー
「砂の女」を訪ねて
「悪魔の手毬唄」を訪ねて
「武蔵野夫人」を訪ねて
「岳 -ガク-」を訪ねて
「ゼロの焦点」を訪ねて
「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」を訪ねて
「遥かなる山の呼び声」を訪ねて
「幸福の黄色いハンカチ」を訪ねて
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」を訪ねて
「裏切りのサーカス」を訪ねて

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