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[C303] 私自身は、富良野以北には行ったことないのに…

なんか、清々しい北の空気・風みたいなものを感じてしまいました。

と、共に、アウトドア派の人、というか、自分では絶対出来ない類の冒険ができる人に対する羨ましさと、
「やっぱ、自然て、怖い」という感覚とを交互に味わいながら、雰囲気だけでもお相伴させていただき、楽しく読んでしまいました。

今日は、午後は家でのんびりできる”筈”ですので、
ここで味わえた、ちょっと非日常的な空気感を、継続して味わえるような映画が、DVDコレクションの中にないか、探してみることにします。

私とは対照的な趣味の持ち主である、亭主のDVDコレクションもあるので、なにか、一作、見つかると思うのですが、
今、思うと、私の映画趣味も、悉くどこかインドア派かもしれません・・・(笑)

お目当てのものが見つかるかどうか・・・結局、全然違うものを観ちゃったりするんですけどねー。(笑)

なんとなく、感化されて、朝ごはんだけは、美味しく頂けそうな気分です。

後編の後編、楽しみに待ってます!
  • 2009-08-23 04:49
  • シネマで現実逃避
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[C304] >シネマで現実逃避さん

私も富良野以北はとても久しぶりだったのですが、やっぱり道東ともまた"違う場所"というか、森や川の様相も、ちょっぴり荒々しさを増しているような気がするというか...安全第一の旅行で、そんな、冒険というようなことはぜんぜんしてないのですが、それでも、そういう自然の怖さを感じさせる雰囲気があちこちに残っているというか...その感じが少しでも伝わったようでしたら嬉しいです。

何かぴったりの映画はありましたでしょうか...?
私は帰ってきて以来、「北の国から」を立て続けに借りてきて復習しております。最終回は、富良野で「北の国から」めぐりなのです(笑)。

[C305] 大物ですね!

フィッシュファイトの臨場感がすっごい伝わってくる文章ですね。Mardigrasさんが魚と格闘している様子がありありと目に浮かびます。
そして、いちど逃しても再び挑戦する根性、釣り師のドラマを見ているようでした。
お魚の正体も気になりますが、とりあえず大物釣り上げおめでとうございます!

続・後編を楽しみに待ってますね~!

[C306] >宵野さん

ありがとうございます!
いや~、つい熱くなってしまいました。このときから1ヶ月経ってるんですが、まだ手に感触が残っているというか...ホント嬉しかったんですよ~。
釣り逃したあと、本当はそのまま南へ向かうつもりだったのですが...ビール飲んじゃったせいで、その場に留まらざるをえなくなって、なので根性というよりもたまたま、といった方が正しいのです(笑)。
魚の正体はネットで調べてわかったのですが、これがちょっと苦い思いがつきまとう結果に...次に書きますね!

[C307] エゾライチョウ

にやっとめぐり合えたとこまで読んで先にコメントします。

クマに関する実話がこわおもでそうなんだと読み入ってしまいました。そしてペットボトルの音を鳴らして道を進むMardiさんが見えるような気がしましたよ~・・・笑

釣った魚を料理することはないんでしょうか?、

読んでいくと知床、網走・・と実際に行ったことはないのですが言葉見知りの懐かしい地名のようです。

鳥も魚もほとんど名前を知らない未知の世界なのですが、やはり人を夢中にさせる何かがありそうな気がします。

また続きを読んでみます。そして続編も読ませていただきまっする。
  • 2009-08-27 02:48
  • ヘルブラウ
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[C308] >ヘルブラウさん

わはは、ペットボトルのぺこぺこは、山ですれ違った人が不思議そうな顔をしてました(笑)。

淡水の魚は、食べないでみんな放してしますます。滅多に行かないのですが、海で釣った魚は家で料理したり、旅館でさばいてもらったりしますよ。自分で釣った魚は、3割方旨い気がします。

釣りも鳥探しも、生き物相手だけに、お金では買えないというか、ままならないところが面白いな~と思います。

次がこれまた長くなってしまったのですが...また耳慣れた場所が出てくると思いますので、、、どうぞよろしくお願いしま~す!

[C843] 北の国から 2009

mardigrasさん、連投ですいません。
つい夢中になって、我を忘れて一気に最後まで
読みました。網走で生まれ育った自分には、馴染み深い地名や鳥の名前、羆の話し、何処を切り取っても
ドキドキです。釣りのシーンも素晴らしいです!釣り人の緊張感、魚との相手を読みながらの格闘は
映画をみているような気がしました。
それにしても、車での気ままな旅ほど、素敵なものはありませんね。宿の予約などの煩わしさがないですもん。
私も、何だか、鳥の図鑑を見たり、バードウォッチングがしたくなりました。鳥のさえずりはよく耳にするのにほとんど知らなくて。 エゾライチョウ!いるんですね。初めて聞きました。
mardigrasさんの旅日記を読んで、すごく得をした気分です。楽しかったです。
ありがとうございました。
  • 2011-08-21 21:56
  • おりんこ
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[C845] >おりんこさん

おお、この記事読んでくださったんですね!
あまりに長くてすみませんでした。。。このときの旅行は最高に充実していて、ついたくさん書いてしまいまったんですよ(いや、いつものことか?)。おりんこさんのかって知ったる故郷について、通りすがりの人間でしかない私が書いたものを読まれてしまったりして、、、こっちこそドキドキです(笑)。

この旅行中、ヒグマにはマジでびびっておりまして、びびりすぎかとも思ったりもしていたのですが、いざ旭山動物園で実物を目にして、びびっていた自分を激しく自己肯定してしまいました(笑)。とはいえ釣りをし始めると、そんなことすっかり忘れてしまったりもして。。。

このときの釣りは、私の釣り史の中でも特別中の特別なものとなりました。こんなドラマチックな釣りは、この先ももうほとんど経験できないんじゃないかと思います。

バードウォッチングも楽しいですよ~。エゾライチョウもいまやライチョウと同じくらい珍しいといっていい鳥です。

山に行くときにはいつも必ず双眼鏡をぶら下げていて、この前の雲の平でも鳥見を楽しみながら歩いてきました(雲の平には実は釣竿も持参していて、途中、黒部源流の薬師沢でイワナ釣りをしてきました)。鳥を探しながら山を登るとちょっぴり疲れを忘れることができます。そうそう、特に長い林道歩きがそれほど苦じゃなくなったりもします。おりんこさんも気が向いたらぜひ!


ホント、風の向くまま気の向くままの旅行といえばクルマに限ります!おっしゃるとおり、なんといっても、いざとなったら寝られるのがいいですね!疲れたら止まるだけ、みたいな。そういえば、そろそろ北海道行きの時期が近づいてきましたね~。ああ、うらやましい限りです。。。
  • 2011-08-23 00:28
  • Mardigras
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北の国から 2009探鳥(と釣り)(後編)

「北の国から」のイラスト(吉岡秀隆と中島朋子)

前回までのあらすじ(黒板純調)
父さん、元気ですか?
北海道から東京に戻って、早くも3週間が経とうとしています。
こっちは連日、相変わらずの暑さです。麓郷は、もうそろそろ、秋ですね。
ところで今朝、家の近くを散歩していたら、突然、犬でも猫でもない動物が、
ボクの目の前を横切りました。
それはもちろん、キツネでもなければシマリスでもなく、
シカでもなければ、ましてヒグマでもなかったわけで...
黒い頭にふさふさの尻尾を持つその動物の正体は...そう、ハクビシン。
父さん。
ボクはビビッてたじろぎました。
東京には、北海道にもいない野生動物が棲息しています。



羅臼のオショロコマ

標津の釣具屋で耳にした、羅臼周辺がヒグマの巣だという話はどうやら誇張でもなんでもなかったようです。翌朝、雨降りの空を見て、今日はのんびり行こうと決め、遅い朝食をとりながら、女将とお手伝いの人に、いくつか逸話をうかがいました。

数年前、シマフクロウの給餌池にヒグマが現れ、魚をぱくぱくと食べられてしまった(そのときのど迫力の写真を見せていただいた)。むろん、翌日からの給餌はガクガクブルブル。常連の誰もがやりたがらないので、泣きそうになりながら女将が川に入った。味をしめたクマが毎日来るようになったらどうしようと心配していたが、その後幸い、現れないでいてくれている

これまた数年前のある日の夜、裏庭で飼い犬が激しく吼えているので、女将が見に行ってみると、犬とヒグマがどーんと対峙していた。体毛が黒いせいで、近寄るまでクマがいることに気がつかなかった。クマは吼えかかる犬を面倒くさそうにしていたが、しかしそこは野性の王様、決して自ら退こうとはしない。そんなとき、ちょうど帰宅したご主人が、事情を察し、クルマのライトを点けて突っ込んでいったところ、ようやくクマは森の奥へと消えていった

20年以上前、羅臼で実際にヒグマに侵入された民宿がある。クマが階下で餌をあさっている間、家の人たちは、2階で震えていた。以来、その民宿は「熊の入った家」と名前を変えた

う~ん、リアル...

        *        *        *        *

宿を去る前に、目の前の川で釣りをしていくことにしました。女将に、上流50m以上には決していかないようにと注意されますが、あれほど具体的すぎる話を聞いた後で、そんなことをする気になるわけがありません。

小河川すぎて、ルアーを使うにはちょっと厳しかったのですが、小さなスピナー(ルアーの一種)を流してみると、すぐにピピッとアタリが。手ごたえはほとんどなく、体長12、3cm前後のオショロコマが釣れてきました。オショロコマは、日本では北海道のみに生息するイワナの一種で、背中の白色の斑点と、体側の朱点が特徴的な、いかにも北海道らしいキレイな魚です。もちろん釣ったのは初めてで、小さいとはいえかなり嬉しい。その後、立て続けに3匹ほど釣りますが、いずれも型が小さく、引きを楽しむというほどのものではありません。すべて、シマフクロウへのささやかなプレゼントとして生簀に入れ、宿を後にしました。

"純の番屋"に寄るつもりだったのですが、実は本当のロケ地はもっと奥で、現在あるものは、あとから再現したものだということを聞き、スルーすることにしました。相泊にある、満潮時に海に沈んでしまう温泉にも入ってみたかったのですが、雨ということもあってこちらもパス。とりあえず網走の方にでも行ってみるか、と、知床峠に進路をとります。上方を見上げても、羅臼岳は白い霧に巻かれて姿が見えません。11年前に来たときも、知床峠はやはり霧で、また今回もか...と、少しがっかり。

オショロコマの写真峠道に入ってすぐ、道に沿って流れる川の瀬音が聞こえてきました。羅臼川です。北海道の河川は、海から100mも上がると深山を流れる渓谷のような様相を見せる川が多く、羅臼川もそんな、いかにも釣れそうな雰囲気を持った川でした。というわけで、この知床を代表する川でひととき、釣りの続き。雨で若干水勢が増している感じですが、水の色はよい感じ。魚道の設けられた砂防ダムの直下を狙って釣っていると、しばらくしてヒット。ここの魚もオショロコマです。同じ場所で、スプーンとスピナーを交互に使い、15cm程度のオショロコマを2尾、3尾、4尾、5尾と立て続けに釣り上げ、魚影の濃さに驚きます。しかしまあ、釣れても20cm以下、と思い込み始めた頃、これまでと明らかに違う、がつんとした手応えが...水流に一瞬キラリと光った魚影はかなりの良型。慎重に寄せてランディングした魚体は、これまでの魚よりもふたまわり以上は大きい尺モノのオショロコマでした。計ってみると、31cm。尺上のオショロコマは今や稀と聞いていたので、これはかなり嬉しい。写真を撮って、慎重にリリースします。

エゾジカの写真同じ場所で、さらに数匹のオショロコマを釣ったのち、アタリが遠のいてきたので引き上げることに。ふと振り向いて、ギョッとしました。なんと釣りをしていた自分のすぐ真後ろで(ほんの7、8mくらい)、5、6頭の子ジカを含むエゾジカが悠然と草を食んでいるではありませんか。川音のせいでその接近にまったく気がつきかなかったのですが、いや、シカでよかった~、とホッとしました。とはいえ、野生動物がいつの間にか背後に出現し、人影も気にせずにむしゃむしゃとやってる様子は、かわいらしいというよりも、逆に得体の知れない怖さを感じてしまったというのが正直なところ。まさか突っかかってきたりしないよな??と思いつつ、一応カメラでぱしゃり。ヒグマが近づくとエゾシカは姿を消すそうで、シカがのんびりと草を食んでいるのが見える限り、あたりにクマはいないと思ってよいそうなのですが...しかしあれだけヒグマにビビっていたというのに、釣れ出すと夢中になってしまい、すっかりあたりに対する注意がおろそかになってしまう、という自分の抜けっぷりに空恐ろしくなってしまいます。

その後、場所を変えてさらに数匹のオショロコマを釣り上げたのち、羅臼をあとにしてウトロ方面へ。釣りの興奮も手伝って、熊の湯に立ち寄ろうと思っていたのもすっかり忘れ、霧で真っ白な峠を越え、オホーツクの海を見下ろしながら山道を下ります。一瞬、知床五湖にに寄っていこうか、とも思いましたが、なんだか面倒になってやめました。斜里を通過したところで国道を離れ、釧網本線沿いに走る道路へと出ます。はじめて北海道に来たときに、この釧網線に乗って釧路と網走を往復したのですが、車窓からオホーツクの流氷を見たり、湿原のタンチョウを見たりと、かなり思い出深い路線なのです。かつてここも通ったことがあるはずの止別駅という無人駅の駅舎がラーメン屋になっているのを見て立ち寄り、遅い昼食。その後、小清水原生花園濤沸湖(ここもラムサール条約登録湿地)に立ち寄り、雨の中、しばらくバード・ウォッチング。この旅行中、これまで目にすることのなかった、キアシシギや、アオアシシギといったシギ類をはじめ、、オカヨシガモやカワアイサ、可愛らしい雛を連れたカルガモといったカモ類や、ホオアカカワセミなどを観察。ここで見たタンチョウが、この旅行中に見た最後のタンチョウとなりました。

網走に到着した頃は、すでに夕方となっていました。特にこれといって予定もなく、通過してもかまわなかったのですが、20数年ぶりの懐かしさで、駅前を少しうろうろします。釣具屋があったので立ち寄り、足りないものをいくつか補充、うまそうなお寿司屋さんがないか聞くと、回転寿司を教えてくれたので行ってみることに。その途中、コイン・ランドリーを見つけたので洗濯物を放り込み、勧められたお店で夕食。この先どこに向かうか迷いながら、気の向くままに注文してぽかぽかと口に放り込みます。ホント、クルマだとビールが飲めないのがツラいところ...

腹がくちたところで洗濯物をピック・アップし、一路、夜の道を北西へ。北見から遠軽を抜け、旭川方面を目指します。サロマ湖に行くかどうか迷っていたのですが、結局、上川と滝川の町境にある浮島峠に向かうことにしました。ここで、翌日の朝いちから、森林性の鳥の観察をしようという計画です。乳白色の霧で見通しのほとんど効かない北見峠を走っている途中、ヘッド・ライトに照らし出された路肩から、何か大きな鳥がばさばさっと飛び立ちました。もしかしたらシマフクロウだったかも...などと考えながら霧の峠を抜け、やがて上川の町に到着。コンビニに立ち寄り、翌朝の食糧を入手します。以前と比べ、北海道にもコンビがめっきり増えたような気がします。街道をちょっと走れば開いているお店があって、今回のように、あまり開けていない場所を回る旅では助かります。

最後のひと走り、クルマをUターンさせて再び峠へと戻ると、途中のパーキングにクルマを乗り入れます。この日の移動距離は300kmを越え、さすがにへとへとです。霧に巻かれた峠道で車中泊しているような人はさすがに誰もいません。オレンジ色の街灯の光に音もなく降りかかる雨をサカナに、缶ビールをちびちびと飲みながら、雨がやんでくれることを祈りつつ、いつの間にか眠ってしまったのでした。



山上の別天地

尾よく5時前起床に成功。雨がすっかりと上がったクルマの外は明るく、どうやらいい天気になりそうな感じでした。クルマをスタートさせ、紋別へと抜ける街道から逸れ、浮島湿原へと向かう林道に乗り入れます。未舗装ですが道は悪くなく、これなら余計な気を使わずに探鳥に集中できるというもの。林道上にエゾライチョウでも出てこないかと、ギアを低速にいれ、ゆっくりとクルマを進めます。高度が上がり、広葉樹林に針葉樹が混じり始めると、目の覚めるようなコマドリの囀りが聴こえてきました。かなりたくさんいるらしく、近くから遠くから、斜面で、谷で、もうあちこちで鳴き声が響き渡っています。コマドリが見たい!と、何度もクルマを停めてそのオレンジ色の姿を探しますが、声はすれども姿は見えずでまったく見当たりません。コマドリは藪好きで、なかなか開けたところに出てきてくれないのです。結局、エゾライチョウも出なければ、コマドリも見られないままに、しかしサメビタキコガラ(たぶん)、ウソといった野鳥を見ながら進んでいくうちに、やがて湿原の入り口に到着。クルマを降り、散策路の入り口に設置された入山記録に記入し、片手に持ったペット・ボトルを強く握ったり離したりしてペコペコと音をさせながら、湿原を目指して歩き始めます(根室の民宿で読んだヒグマの本に、熊よけには鈴の音よりもペット・ボトルの音が効果的と書いてあった。要するに、聞いたことのない音を気味悪がるらしい)。

ウッド・チップの敷かれた散策路脇には、根曲がり竹の笹の葉がびっしりと密生していて見通しがまったく利かず、かなり不気味。時々大きな声で、おーい、などと叫んでみたりもします。と、遠くの白樺の大木の梢から、ポポッ、ポポッというツツドリの低い鳴き声が。カッコウそっくりな見た目をしたこの鳥の声を聴くと、なんだか深山幽谷にいるような気分にさせられます。ツツドリの多いところらしく、あちこちの梢の天辺で囀っています。雰囲気最高、でもちょっと怖い。しばらく行くと、今度は前方の樹の枝からフィーフィーというウソの寂しいの鳴き声が。これまた山深さを感じさせてくれる鳥で、その後アカハラやアオジも登場、飽きない程度に出現する鳥を楽しみながら歩いていくと、待ってました、湿原の手前でついにエゾライチョウが出現!散策路で地面を突きながら採餌の真っ最中です。その場で動かずに見ていると、地面をあちらこちらへうろうろしながら、やがて藪の中へと消えていきました。ほんの短い時間でしたが、ようやく見ることのできた感激にしばしうっとり。

浮島湿原の写真散策路の角を曲がると、突然、といった感じで視界が開けました。標高870mの山上の湿原、浮島湿原です。周囲を濃い緑の森に取り囲まれた柔らかい緑色の湿原は、まるで箱庭のような別天地。前日までの大雨で空気中の埃が一掃されたせいか、青く晴れ渡った空はどこまでもクリアで、湿原のところどころに散在する大小いくつもの真っ黒な池塘に、アカエゾマツの木々が映りこんでいます。ふと気づくと、散策路にうんざりするほどいた薮蚊の姿がまったく消えていて、汗だくになった長袖を脱ぐと、湿原を渡る乾いた風が素肌に染み込んでいくようで、この上なく心地よい。広大な湿原もいいですが、ビバ!山の湿原。

木道を散策し、しばし腰を下ろして休憩。素晴らしい景色と風と空気に動きたくなくなりますが、先は長い。というわけで、またシャツを着込み、名残を惜しみつつ湿原を後にします。帰路、梢で囀るキビタキを観察していると、散策路を登ってくる年配の女性に会いました。地元、上川町の方で、高山植物を観に、ちょくちょく訪れるそうです。こんなところが身近にあるなんて、まったくうらやましい限り。帰りの林道でしばらく粘り、エゾマツの樹陰にようやくコマドリの姿を見つけたのをしおに浮島ともおさらば。この後、上川の町に出て、手打ちそば屋で鴨せいろに舌鼓をうつ。汗をかいたのでひとっ風呂浴びたくなり、20kmほど離れた層雲峡温泉へと向かうことにしました。



さて、どこ行くか...

雲峡では、団体旅行の人たちに混じっていくつかの滝を見物。と、増水して暴力的に渦巻く渓流に、シノリガモの姿を発見しました。流れの中でコマのようにくるくる回りながら、しきりに潜っては浮かんでを繰り返しています。霧多布の海上で見た鳥が、何でこんな山奥に?と図鑑を調べてみると、このシノリガモ、そもそも渓流で繁殖する鳥なのだそうです。この石狩川最上流のカモは、果たしてどこの沿岸へと旅立っていくのでしょうか...遠く離れた森と海の目に見えない繋がりを1羽のカモに見つけたような気がして、なんだか妙に感激してしまったのでした。

国道沿いの旅館の立ち寄り湯でしばらくくつろいだあと、ロビーでコーヒーを飲みながら、行き先の検討です。オプションがいくつかあって、(1)国道を南に抜け、再び帯広に出て日高あたりの渓流で釣りをする (2)旭川市街に出て一泊し、翌日旭日岳に鳥を見に行く (3)思い切って北上し、サロベツ原野で鳥を見る のどれにしようかと迷っていたのですが、その後の展開がもっとも豊富そうな(3)を選びます。となれば先はかなり長い、というわけで、さっさと身支度を済ませて出発...したのですが、石狩川を無視することができなくて、またしばし釣り。けっこうイケそうな雰囲気だったのですが、結局アタリひとつなく、尻尾を巻いて退散。

途中、日の傾きかけた名寄の駅前の食堂で早めの夕食をとり(とり照り焼きマヨネーズ定食。年をとってもいまだにこういう濃いのが好き)、一路、北へ向かってドライブ。サロベツ原野に到着したときには、すっかり夜になっていました。この日の行程は、結局この旅行中もっとも長いものとなり、350kmを超えました。前日に続く長距離運転でさすがに疲労困憊、サロベツ原生花園の駐車場にクルマを乗り入れたときには、ぐったりとしてしまいました。街頭がないどころか、街の灯りさえまったく届かない広大な原野の駐車場は、クルマのライトを消すと真っ暗闇となりました。晴れていれば月の光がさぞかしキレイだったに違いないのですが、あいにく数時間前から降り出していた雨のせいでそれも望めず。そんなわけで暗闇に背を丸め、やることもなく早々に眠りについたのでした。



北の原野でシマアオジ探し

ツメナガセキレイの写真が覚めると雨は上がっていました。クルマから降りると、昨夜はまったくその姿を見ることのできなかった、200平方kmに及ぶというサロベツの大湿原が目の前に広がっています。海であるはずの北西の方角には、均整の取れた秀麗な見目の山がどーんと聳え立っています。利尻島の利尻富士です。その雄大な景観に、そうか、こんなところだったのか、と感嘆しつつ、耳を澄ますと、湿原からウジッウジッウジッっという耳慣れない鳴き声が。双眼鏡で覗いたその先にいたのは、ツメナガセキレイ。よく見ると、あちこちに咲いた今が盛りのノリウツギの上で囀りまくっています。色鮮やかなその見た目に似あわず、随分と地味な声を出すものです。そもそもこのツメナガセキレイという鳥を見ることが、遠路サロベツまで足を延ばした理由のひとつ。あっさりと、しかもじっくりと観察することができ、朝から大感激です。

タチギボウシの写真まだ誰もいない湿地の木道に降り立ち、朝の爽やかな空気を味わいながら、一周1kmちょっとの散策路をゆっくりと散歩します。そもそも花にはあまり興味がないのですが、それでも野に咲く花は可憐です。この時期、目立つ花はあまりありませんでしたが、ところどころでタチギボウシが開花し始めていて、目を楽しませてくれます。湿原には、ツメナガセキレイに混じって、ノビタキやオオジュリンやヒバリの姿も見えます。低空をすごいスピードで飛び回っているのはツバメです。

1時間ほどかけて木道を回り終え、さらにもう1周。ツメナガセキレイと並んで期待していた、シマアオジの姿を探します。そもそも苫小牧のウトナイ湖畔でこの鳥を探していたのですが、ネイチャー・センターで、今やシマアオジはサロベツまで行かないと、なかなかその姿を見ることができないよと言われていたのです。そんなわけで、目を皿のようにして見回しながら歩きますが、しかしシマアオジは姿を現さない...日が昇るにつれ、あれだけいたツメナガセキレイもいつの間にか姿を消してしまい、湿原は静まりかえってしまいました。

オジロワシの写真別の場所を探してみることにし、原野の南端にある幌延ビジターセンターへと移動します。北端の原生花園からは直線距離でも10km以上離れていて、同じ湿原だというのに、クルマでぐるりと回ると30分もかかります。途中、海岸の杭に悠然ととまるオジロワシを見つけ、しばし観察。ビジターセンターに到着した頃には、太陽が中天にぎらぎらと輝く、夏らしい1日が始まっていました。ここでも湿原に続く木道を散策します。カッコウ、ベニマシコ、エゾセンニュウにシマセンニュウ、ノビタキ、オオジュリン、ノゴマにウグイス、コヨシキリとバラエティ豊かな鳥に出会いますが、シマアオジの姿は見られず。しかし帰りがけ、木道脇の沼に、営巣中のアカエリカイツブリのペアを見つけて大喜び。

その後、再び原生花園にクルマを走らせ、もう一度湿原を見て回りますが、結局、シマアオジを見ることはできませんでした。帰りがけにネイチャー・センターに立ち寄って話をうかがったところ、どうやらシマアオジは7月頭までにペアリングを終え、ただいま湿原の奥で子育ての真っ最中なのだそうです。ペアリングの時期、早朝から日暮れまで木道の一箇所に陣取り、"よりよい1枚"を求めて、この希少な鳥にプレッシャーを掛け続けるマナーの悪いカメラマンが増えているそうで、ネイチャー・センターの方はとても怒っていました。私自身もときたま、そのようなタイプのバード・ウォッチャーに出会うことがありますが、そのたびに、周りの人に迷惑をかけるのみならず、鳥にまで悪影響を及ぼすような行為の末に写したさもしい1枚に、いったいどれほどのありがたみがあるというのか、と、首を捻ってしまいます。表面的にどんなにキレイに撮れていようとも、そんなものは己の醜悪さの記録写真でしかないと思うのですが...

さて、シマアオジやツメナガセキレイは、子育てが終わるといつの間にか、湿原から姿を消してしまうのだそうです。果たしてサロベツの湿原は、この先いつまで、これら希少な野鳥の繁殖地であり続けることができるのでしょうか。来年、再来年とこの先も、シマアオジがやってくることを、ただただ祈るばかりです。



チゴハヤブサのトンボ狩り

て、サロベツ原野を後にして向かったのは稚内。この際、日本の最北端、宗谷岬まで行っとくか、と思ったわけですが...しかし、しばらく走ったところの地名表示板でまだ50kmもあることを知り、面倒くさくなってUターン。代わりに、稚内の手前にある兜沼という公園に立ち寄ってみます。草原の野鳥を見ながら歩き回り、ここの沼でもアカエリカイツブリを発見、しばらく観察し、その場を後にしました。さあ、あとは南に向かって下るだけ、というわけで、なんだか旅の終わりに向かって走るような、一抹の寂しさを感じながらのドライブです。

海沿いから逸れ、ちょっと寄り道して幌延の市街へ。幌延は、初めて北海道に来たときに訪れた最北端の地です。留萌から今はなき旧国鉄の羽幌線に乗って辿り着き、何をするでもなく、駅前を少しぶらついただけで旭川方面に折り返したのですが、地名を目にするとつい懐かしくなってしまい、駅前を訪れてみることにしたのでした。幌延は、上武佐と違って当時の面影がけっこう残っていて、駅前の本屋兼文房具屋さんをみて、ああそういえば、列車の待ち時間にここで立ち読みしたぞ!でも店構えはもっとボロかった気がするぞ!などと、どうでもいいことを思い出しながら、しばし追憶に耽りますが、やはり今回もやることはなく、早々に立ち去ります。

その後、海沿いの国道に抜け、天塩を経由して遠別方面へ。その昔、列車の車窓から、ここらあたりの海を眺めたことがあるんだなあ、と思うとまた懐かしくなり、急に海が見たくなって、国道を離れて海岸へ。適当なところでクルマを停め、誰もいない浜辺でひとりたそがれていると、目の前をすごい速さで鳥が横切りました。飛び去った方向に目をやると、もう1羽いて、空中を滑翔したかと思うとしきりに急旋回を繰り返しています。どうやらタカの仲間のようで、双眼鏡を取り出して眺めてみると、これが精悍な顔つきをしたチゴハヤブサ。ふと気づくと周囲の草原にトンボがうじゃうじゃと飛んでいて、どうやらトンボを捕まえて食べているようです。行きつ戻りつ狩をするその様子があんまり面白いのでしばらく夢中になって見ていましたが、だんだんと遠くに飛んでいってしまい、次第に姿が見えなくなってしまいました。



大勝負

てどうしよう、このまま旭川あたりまで走ろうか、それとも留萌の方に抜けようか...などと思案しながら、再び国道に戻ってクルマを走らせますが、そんな先のことを考えるまでもなく、国道と交差する手ごろな川を見て気が変わり、例によって釣りをしていくことに。この川、海からほとんど離れていない地点から既に趣のある渓相をしていて(このあたりの川は皆そうだった)、おそらくそもそもの水量がたいしたことないのでしょう、前日の雨にもかかわらず、濁ってもいなければ、大増水というわけでもありません。こりゃいけるかも、と国道を折れて少し上流に入ったところにクルマを停め、藪を掻き分け、川に降り立ちます。

若干流れが速いものの、水は澄み、ところどころにおいしそうな淵があって、ますますイケるかも、と気合を入れてルアーを投じます。しかし、浅瀬の渡渉を何度か繰り返しながら、徐々に遡行して釣り続けるものの、期待に反してアタリはなし。ずんぐりとしたチョコレート色のカワガラスがふいに目の前を横切り、上流へと飛び去っていきます。釣れなかったけどカワガラスを見たからまあいっか、と川からあがりましたが...しかし、どうにも諦めきれない気分。そんなわけでクルマをさらに上流に走らせ、適当なところで再度川べりに降り立ちました。

ふと気がつくと、空が暗くなっていて、いまにも天気が崩れそうな気配です。雨が降り出したら止めようと決め、再び釣りを始めます。ここぞという淵を狙ってみるもののアタリがなく、やっぱりダメかな~とあきらめつつ、荒瀬にルアーを投じるとココンというアタリが。アワせそこない、取り逃がしてしまいましたが、いるじゃん!と俄然やる気が湧き起こります。しかし、似たようなポイントを探りながら遡行するものの、アタリはそれっきり。しばらく行くと、川べりがコンクリートで護岸されている場所に行き当たり、雰囲気がいまひとつになってしまいました。

心が折れそうになりながらも、まだ遡れる、ととにかく釣り続行。護岸の上に登り、水が白く渦巻いている小さな落ち込みにスピナー(ルアーの一種)を投じます。リールを巻き始めようとすると、すぐにルアーが何かに引っかかってしまったような手ごたえが。あ~あ、根掛りしちゃったよ、と思いつつ、竿をひと煽りすると、ずずっと動いた感じ。沈木かなと思い、取りあえず引っかかったところまで行こうと歩き出した瞬間、ガツ―ンという衝撃が手もとに伝わってきました。間髪を入れず、竿先がぎゅいーんと引き込まれます。うわっ、根掛りじゃない、サカナだ!!と慌てて竿を立てようとしますが、あまりの強い引きに、立てきることができません。竿先がぐいんぐいんと何度も煽られ、今にもラインが切れそうです。慌ててリールのドラグをいじくり、魚の引きに合わせてラインが出ていくように調節します。ジジジジジジジジッ!と音を立ててリールが逆回転し、ラインが見る見る出ていきます。

いったい何が掛かったんだ?と頭はパニック状態。はっきりいって、こんな手ごたえの魚が釣れることはまったく想定していなくて、使っていた竿のパワーも最低限ならば、ラインの強度も5ポンドというまったく頼りなさすぎるもの。とにかくこれっぽっちも無理はできない、と、リールを巻くことなどハナから諦めて、暴れる魚の引きにひたすら耐え続けます。幸い周囲に魚が潜り込めるようなブッシュはなく、とにかく耐えていればいずれ疲れるはず、と、満月のようにしなる竿先を必死に持ち上げながら、ひたすらガマン。と、水面を見下ろしている私のかなり先の水中で、身を翻した魚のシルエットが一瞬浮かび上がり、その腹がギラリと銀色に光りました。わわわ、デカイ!50cmは軽く超えている!と、改めてビビります。これはなんとしても釣り上げたい!と思うものの、少しでも気を抜くと、魚があらぬ方向に突っ走り、ラインが怖いくらいに張り詰めて、一瞬一瞬が緊張の連続です。

何分くらいそうやって耐えていたでしょうか、そうこうするうちに魚も疲れてきたのか、ようやく抵抗が衰え始め、だましだまし、なんとかリールを巻くことができるようになってきました。1m走られては2m巻き上げるの要領で、だんだんと足元によってくるその魚体を見ながら、よし、これならイケるかも、と思ったその瞬間、はっとあることに気がつきました。それは、いったいこんなデカい魚をどうやって取り込めばいいんだということ...垂直護岸から水面までの高さはおよそ2m強。仮に魚が一切暴れなかったとしても、この高さを持ち上げようとすれば、ラインが切れるか、フックの刺さった魚の口が切れるか、二つにひとつです。本来渓流釣りにネットは欠かせないのですが、普段川釣りをしない私はネットを持っていません(いずれにしろ2m以上の高低差ではネットは役に立たなかったことでしょう)。

考えられる方法はただひとつ、魚を護岸のない下流まで誘導して取り込むことでした。その距離約30m、途中、小さな落ち込みを二つ越えなくてはならず、リスクの高いギャンブルですが仕方ありません。意を決し、魚が大暴れしないことを祈りつつ、そろりそろりと移動を始めます。祈るような気持ちで落ち込みをパスし、竿を高々と掲げながら自らも護岸の切れ目を乗り越え、滑りやすい崖を伝って川辺に降り立ち、ようやく、魚体に手が届く距離までに近づきました。水面と岸辺の高低差は、ほんの20cm。しかし、いざ取り込もうとすると、ネットなしの状況では絶望的な高さ...さらに20mほど下流に移動すれば、岸辺は砂地となっていて、水面を引きずって、楽に魚を取り込むことが可能なのですが、そこまで行く途中には複雑な枝の張り出した潅木があって、その上をラインが無事にまたぎ越せるかどうか、実に微妙です。しかし、悩んでいる暇はありません。結局、20cmを一気に持ち上げれば、コンマ数秒の間、ラインはもつ、仮に切れたとしても、魚体を手で押さえこめばなんとかなる、と瞬間的に判断したのですが...

そのときの自分に、はやくこの釣りにケリをつけて緊張感から解放されたいという焦りの気持ちがなかったかといえば、もちろん嘘になります。本当にこれでいいのか!?と心のどこかで自問自答しながら、私はしなりまくる竿を立て、改めてその重さに驚嘆しながら、魚を引き上げようとしました。と、そのとき、魚が最後の抵抗を試み、激しく身をくねらせたかと思うと...その口からルアーがはじけ飛びました。魚は疲れきっていたせいか、ルアーが外れたというのに、浅瀬で動かずにじっとしています。はっと我に返り、手掴みだ!と手を伸ばした瞬間、魚はその身を翻し、飛沫をあげて川の流れに消えていきました。

比喩でもなんでもなく、私はしばらく呆然としたまま川面を見つめ続け、やがてその場にへたり込んでしまいました。魚種は違うものの、これまで同程度の大きさの魚を釣り上げたことは何度もあります。しかし、こんなか細いタックルで、ここまで苦労して工夫して疲労困憊して寄せた魚は初めて、というか、こんな「釣りキチ三平」のようにドラマティックなファイトをしたのは生まれて始めてでした(しかも謎の魚)。こうして文章にしてみると、まったくあまりにも出来すぎで、自分でもうそ臭い感じがするのですが、以上、一言一句、本当にあったことです。

その後、自分がどこへ行き、どこでどう食事をして寝たのかはよく覚えていません...というのは嘘で、ほとんど虚脱状態のままにその場をあとにすると、国道沿いに村営の温泉施設をみつけ、食事をして風呂に浸かり、湯上りのビールの誘惑に負けて缶ビールを数本空けてしまい、物理的、法律的に運転することができなくなって、その温泉の駐車場に停めたクルマの中で寝てしまったのでした。



続・大勝負

が覚めると、昨夜来降り出した雨は上がっていました(こればっかり)。目指すはもちろん、昨日の川です。逃がした魚を昨日の今日でもう1度釣り上げることができるどうかといえば、それはおそらく無理だろうと頭では理解しつつ、しかしそれでも、もう1回やらないことには気が済まなかったのでした。魚の正体については、それがそこで自然繁殖したものなのか、あるいは誰かがよそで釣ってきて放流したものかはわかりませんが...いずれにしろ、ニジマスしかあり得ないと考えていました(もともとニジマスは国産の魚ではないので、元は必ず、誰かによって放流されたもの)。あんなデカいニジマスを釣ったこともなければ、見たこともなかったのですが、驚くほどの強烈なファイトといい、ランディング時にチラリと見えた銀色の体といい、いわゆる"モンスター・レインボー"(大型ニジマス)だろう、と思っていたのです。

釣り場に到着すると、さっそく釣り開始。昨日のヒット・ポイントに、同じようにルアーを投げ込みます。が、案の定ノー・バイト。やっぱりダメかなと思いつつも、そのさらに上流にあるトロ場(水の流れが緩やかなところ)へ移動し、いちばん水深の深そうな場所に向かってキャストします。ルアーを少し沈めた後、スローにリトリーブを開始。と、昨日と同じ、ガッと何かに引っかかったような手ごたえが!うそだろ!?と思いながら、すかさず合わせを食らわしたその瞬間、強い衝撃とともに、ぎゅーんっと竿先が絞り込まれました。

よっしゃーっ!!と思わず声に出して叫び、ファイト開始。備えあれば憂いなし、今度はリールのドラグも調整済みで、12時間前の手ごたえとまったく変わらぬパワフルな魚に手こずりながらも、しかし不意打ちを食らわされるのと初めから予想しているのとではまったく勝手が違うというか、この日は心に余裕がありました。たっぷりと時間を掛けて魚を疲れさせながら、前日と同じように、徐々に、徐々に、下流へと魚を導いていきます。ラインの細さもネットのないことも、条件は前日と変わりませんが、ひとつだけ違うことがありました。それは、左手に軍手をはめていたこと。そう、「釣りキチ三平」の「イトウの原野編」を読んだ人ならご存知の通り、谷地坊主の真似をして、軍手をはめた手を魚の口に突っ込んで持ち上げてやろうと考えていたのです。

そんなマンガのような真似が実際にうまくいくかどうか、はっきりいって自信がなかったものの、マンガと同じように竿先を頭上に掲げ、魚の頭を水面から出すと、親指をガッと口に入れて引っ掛け、顎をがっしりと掴みます。すかさず竿を放り、右手を水中に突っ込んで胴体をキャッチ、一気に持ち上げました。やったぜ、大成功!!というわけで、釣れたのが写真の魚です。どどーん!

あるサカナの写真体長56.5cm、重さは3kgまで計ることのできる重量計を軽く振り切りました。5ポンドのラインで無理に持ち上げていたら、いっぱつでプチンだったに違いない重さです。この魚が、果たして前日掛けたのと同じ個体なのかどうかはわかりませんが、とにもかくにもまた挑戦してよかった!と感無量です。で、この魚、いざ釣り上げてみると、どうも私の知っているニジマスとは少し違う...しかし、デカくなるとこうなるんだろうぐらいにしかその場では思わず、とりあえず写真を撮ってリリースしたのでした(実はぜんぜん違う魚だったことがのちに判明)。

よし、とりあえず釣りの続きだ!と、上流に戻ろうとして、驚きました。なんと、ついさっきまで私が釣りをしていたその場所に、ほかの釣り人の姿があったからです。いったいいつ現れたのか、まったく気がつきませんでしたが、いくらなんでも、人の釣り場を黙って横取りするとは、とんでもないマナー違反です。見れば、釣り歴の長そうな格好をした初老のおじさん。無言のプレッシャーでじっとその横顔を見つめ続けますが、挨拶はもちろん、会釈もなし。こっちの存在を無視し、黙々と準備を終え、釣りを始めています。こういうこと、釣りをしているとたまにあるのですね。そこまでして釣って面白いか?と心の中で毒づきますが、口論になったりして、大物を釣り上げた至福の気分をこれ以上台無しにされたらたまらないと思い、黙ってその場を去ることにしたのでした。



旭川、20数年前の思い出

りも探鳥も、朝いちに山場の訪れることが多い遊びです。特に、これ以上はありえないと思われる達成感を初っ端に味わってしまうと、そのあとの1日は、気分的にも、実際的にも、おまけのようなものになってしまいがちです。というわけで、この日、釣り場を離れたのが6時半、1日の始まりにして、早くもテンションがゆるゆるに弛緩してしまい、その後、ほかの川を2つほど訪れて釣りをしたものの、もうあれ以上はないだろうと思うと、ぜんぜん気合が乗りません。9時過ぎには釣りをやめ、とりあえず南を目指してクルマを走らせます。

途中、天売島行きのフェリーの看板を目にし、いっちょ行ってみるか!と港に立ち寄りますが、朝の便が既に出てしまい、次の便が14:00過ぎだというのを聞いて、その気が失せました。というわけでさらに南進、留萌方面に海岸沿いを下るか、それとも旭川を目指して内陸に折れるか迷いましたが、ここでもまたその先の選択肢の多さを考えて、旭川へと向かうことに。途中、気の向くままま、田園地帯や目についた神社の境内や林に立ち寄ってバード・ウォッチングです。この旅行でまだ見ていなかった、ホオジロニュウナイスズメを見たりしながらダラダラとドライブを続け、3時過ぎに旭川市街に到着。その頃にはまた雨が降り出していて(本当によく降る)、とりあえず市街地にほど近い神楽岡公園に立ち寄り、鳥を探しますが、時間が悪かったのか、天候が悪かったのか、あるいはやっぱり気合の乗りが悪かったのか、まったく鳥影を感じることができず。腹が減ったので、適当なラーメン屋に立ち寄って、旭川ラーメンの遅い昼食(有名店というわけではない)。その後、まだかなり早い時間でしたが、駅前のホテルにさっさとチェック・インし、久しぶりにブログを更新したりして過ごしたのでした。

旭川を訪れるのも、高校卒業時に初めて北海道に旅行したとき以来のことでした。そのときの旅行は懐が極端に寂しく、周遊切符だけを手に、一週間、食事も切り詰め、駅の待合室で寝たり、夜行列車で寝たりして回っていたのですが、旅行何日目かの夜、夜行列車の乗り継ぎで旭川駅の待合室に座っていると、隣に座っていた地元のおじさんが、ろくなものを食べてないという私に同情してくれて、近くの居酒屋で腹いっぱい奢ってくれたという、とても心温まる思い出があるのです。駅前のシティ・ホテルの窓から旭川駅を見下ろしていると、なんだかんだでこうして駅を見下ろすような場所に泊まれるくらいにはなったなあという感慨が湧いてきて、急に、駅の待合室に行き、腹の減ってそうな若者を見つけて自分も奢ってやりたい衝動にかられますが、それはあくまで衝動だけのことであって実行に移すことはなく、この日も300km以上走った疲れもあって、自分も食事することなく、眠ってしまったのでした。

        *        *        *        *

さて、前・中・後編の全3回で終わらせるつもりだった旅日記が、なかなか書き終わりません。というわけで、そんなことば聞いたことありませんが、続・後編として、もう1回だけ旅行記の続きを。フェリー乗り場まであと少し、というわけで、今度こそ終わるはず!です。



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[C303] 私自身は、富良野以北には行ったことないのに…

なんか、清々しい北の空気・風みたいなものを感じてしまいました。

と、共に、アウトドア派の人、というか、自分では絶対出来ない類の冒険ができる人に対する羨ましさと、
「やっぱ、自然て、怖い」という感覚とを交互に味わいながら、雰囲気だけでもお相伴させていただき、楽しく読んでしまいました。

今日は、午後は家でのんびりできる”筈”ですので、
ここで味わえた、ちょっと非日常的な空気感を、継続して味わえるような映画が、DVDコレクションの中にないか、探してみることにします。

私とは対照的な趣味の持ち主である、亭主のDVDコレクションもあるので、なにか、一作、見つかると思うのですが、
今、思うと、私の映画趣味も、悉くどこかインドア派かもしれません・・・(笑)

お目当てのものが見つかるかどうか・・・結局、全然違うものを観ちゃったりするんですけどねー。(笑)

なんとなく、感化されて、朝ごはんだけは、美味しく頂けそうな気分です。

後編の後編、楽しみに待ってます!
  • 2009-08-23 04:49
  • シネマで現実逃避
  • URL
  • 編集

[C304] >シネマで現実逃避さん

私も富良野以北はとても久しぶりだったのですが、やっぱり道東ともまた"違う場所"というか、森や川の様相も、ちょっぴり荒々しさを増しているような気がするというか...安全第一の旅行で、そんな、冒険というようなことはぜんぜんしてないのですが、それでも、そういう自然の怖さを感じさせる雰囲気があちこちに残っているというか...その感じが少しでも伝わったようでしたら嬉しいです。

何かぴったりの映画はありましたでしょうか...?
私は帰ってきて以来、「北の国から」を立て続けに借りてきて復習しております。最終回は、富良野で「北の国から」めぐりなのです(笑)。

[C305] 大物ですね!

フィッシュファイトの臨場感がすっごい伝わってくる文章ですね。Mardigrasさんが魚と格闘している様子がありありと目に浮かびます。
そして、いちど逃しても再び挑戦する根性、釣り師のドラマを見ているようでした。
お魚の正体も気になりますが、とりあえず大物釣り上げおめでとうございます!

続・後編を楽しみに待ってますね~!

[C306] >宵野さん

ありがとうございます!
いや~、つい熱くなってしまいました。このときから1ヶ月経ってるんですが、まだ手に感触が残っているというか...ホント嬉しかったんですよ~。
釣り逃したあと、本当はそのまま南へ向かうつもりだったのですが...ビール飲んじゃったせいで、その場に留まらざるをえなくなって、なので根性というよりもたまたま、といった方が正しいのです(笑)。
魚の正体はネットで調べてわかったのですが、これがちょっと苦い思いがつきまとう結果に...次に書きますね!

[C307] エゾライチョウ

にやっとめぐり合えたとこまで読んで先にコメントします。

クマに関する実話がこわおもでそうなんだと読み入ってしまいました。そしてペットボトルの音を鳴らして道を進むMardiさんが見えるような気がしましたよ~・・・笑

釣った魚を料理することはないんでしょうか?、

読んでいくと知床、網走・・と実際に行ったことはないのですが言葉見知りの懐かしい地名のようです。

鳥も魚もほとんど名前を知らない未知の世界なのですが、やはり人を夢中にさせる何かがありそうな気がします。

また続きを読んでみます。そして続編も読ませていただきまっする。
  • 2009-08-27 02:48
  • ヘルブラウ
  • URL
  • 編集

[C308] >ヘルブラウさん

わはは、ペットボトルのぺこぺこは、山ですれ違った人が不思議そうな顔をしてました(笑)。

淡水の魚は、食べないでみんな放してしますます。滅多に行かないのですが、海で釣った魚は家で料理したり、旅館でさばいてもらったりしますよ。自分で釣った魚は、3割方旨い気がします。

釣りも鳥探しも、生き物相手だけに、お金では買えないというか、ままならないところが面白いな~と思います。

次がこれまた長くなってしまったのですが...また耳慣れた場所が出てくると思いますので、、、どうぞよろしくお願いしま~す!

[C843] 北の国から 2009

mardigrasさん、連投ですいません。
つい夢中になって、我を忘れて一気に最後まで
読みました。網走で生まれ育った自分には、馴染み深い地名や鳥の名前、羆の話し、何処を切り取っても
ドキドキです。釣りのシーンも素晴らしいです!釣り人の緊張感、魚との相手を読みながらの格闘は
映画をみているような気がしました。
それにしても、車での気ままな旅ほど、素敵なものはありませんね。宿の予約などの煩わしさがないですもん。
私も、何だか、鳥の図鑑を見たり、バードウォッチングがしたくなりました。鳥のさえずりはよく耳にするのにほとんど知らなくて。 エゾライチョウ!いるんですね。初めて聞きました。
mardigrasさんの旅日記を読んで、すごく得をした気分です。楽しかったです。
ありがとうございました。
  • 2011-08-21 21:56
  • おりんこ
  • URL
  • 編集

[C845] >おりんこさん

おお、この記事読んでくださったんですね!
あまりに長くてすみませんでした。。。このときの旅行は最高に充実していて、ついたくさん書いてしまいまったんですよ(いや、いつものことか?)。おりんこさんのかって知ったる故郷について、通りすがりの人間でしかない私が書いたものを読まれてしまったりして、、、こっちこそドキドキです(笑)。

この旅行中、ヒグマにはマジでびびっておりまして、びびりすぎかとも思ったりもしていたのですが、いざ旭山動物園で実物を目にして、びびっていた自分を激しく自己肯定してしまいました(笑)。とはいえ釣りをし始めると、そんなことすっかり忘れてしまったりもして。。。

このときの釣りは、私の釣り史の中でも特別中の特別なものとなりました。こんなドラマチックな釣りは、この先ももうほとんど経験できないんじゃないかと思います。

バードウォッチングも楽しいですよ~。エゾライチョウもいまやライチョウと同じくらい珍しいといっていい鳥です。

山に行くときにはいつも必ず双眼鏡をぶら下げていて、この前の雲の平でも鳥見を楽しみながら歩いてきました(雲の平には実は釣竿も持参していて、途中、黒部源流の薬師沢でイワナ釣りをしてきました)。鳥を探しながら山を登るとちょっぴり疲れを忘れることができます。そうそう、特に長い林道歩きがそれほど苦じゃなくなったりもします。おりんこさんも気が向いたらぜひ!


ホント、風の向くまま気の向くままの旅行といえばクルマに限ります!おっしゃるとおり、なんといっても、いざとなったら寝られるのがいいですね!疲れたら止まるだけ、みたいな。そういえば、そろそろ北海道行きの時期が近づいてきましたね~。ああ、うらやましい限りです。。。
  • 2011-08-23 00:28
  • Mardigras
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管理人: mardigras
「ゴースト・イン・ザ・シェル」を観てきました。もちろん吹替版で。いや~、面白かった!

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邦画の紹介
椿三十郎
七人の侍
用心棒
ツィゴイネルワイゼン
遙かなる山の呼び声
復讐するは我にあり
砂の女
男はつらいよ 寅次郎恋歌
男はつらいよ 寅次郎忘れな草
男はつらいよ 寅次郎相合い傘
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
武蔵野夫人
仁義なき戦い
麻雀放浪記
幸福の黄色いハンカチ
悪魔の手毬唄
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
夜叉
劔岳 点の記
洋画の紹介
第三の男
ブレードランナー
ゴッドファーザーPARTII
羊たちの沈黙
ミッドナイト・ラン
スカーフェイス
ビッグ・ウェンズデー
ゴッドファーザー
駅馬車
荒野の決闘
ダンス・ウィズ・ウルブズ
燃えよドラゴン
スパルタンX
ターミネーター2
パルプ・フィクション
アパートの鍵貸します
引き裂かれたカーテン
めまい
夜の大捜査線
地獄の黙示録 特別完全版
サンセット大通り
モーターサイクル・ダイアリーズ
8 1/2
真夜中のカーボーイ
スティング
プラトーン
ダイ・ハード
赤ちゃんに乾杯!
太陽がいっぱい
マルホランド・ドライブ
薔薇の名前
リバー・ランズ・スルー・イット
ルートヴィヒ
M★A★S★H マッシュ
バック・トゥ・ザ・フューチャー
タクシードライバー
エンゼル・ハート
バグダッド・カフェ 完全版
未来世紀ブラジル
明日に向って撃て!
恐怖の報酬
レスラー

キル・ビルVol.2
2001年宇宙の旅
ブリキの太鼓
ジュラシック・パーク
十二人の怒れる男
ゲッタウェイ
ミシシッピー・バーニング
ベルリン・天使の詩
裏切りのサーカス
ブラック・レイン
アマデウス
遠い空の向こうに
カプリコン・1
その他映画関連
いとしの映画音楽
この邦題がすごい!
この映画の原作がすごい!(海外編)
この映画の原作がすごい!(国内編)
あの映画のコレが食べたい!
2010年イラスト・カレンダー
「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて
2011年イラスト・カレンダー
続・この映画の原作がすごい!(上)
続・この映画の原作がすごい!(下)
シネマ・イラストレイテッド in TSUTAYA
「劔岳 点の記」を訪ねて
その後のシネマ・イラストレイテッド in TSUTAYA
「夜叉」を訪ねて
「ツィゴイネルワイゼン」を訪ねて(その2)
2014年イラスト・カレンダー
「砂の女」を訪ねて
「悪魔の手毬唄」を訪ねて
「武蔵野夫人」を訪ねて

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