
昨年7月、クルマで北海道を旅してきました。新潟からフェリーで小樽に上陸し、道内をぐるぐる周って苫小牧から大洗へと帰る、10泊11日プラス船中2泊の旅。8年前の夏に同じような旅して(→こちらの記事)、そのときの味が忘れられず、また出かけてしまいました。
釣りをしたり、バードウォッチングをしたり、そして山に登ったりしながら、北へ東へ南へ西へ、自由気ままにクルマを走らせる旅。そしてその途中、立ち寄れるものなら立ち寄りたいと思っていた、映画のロケ地をあちこち訪れてきましたので、今さらではありますが、そのときのことを映画別の記事にしようと思います。というわけで今回はその第一弾、「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」(1975)を訪ねて。
続きを読む

数年前から映画を観るたび簡単な感想を書き残していて、ついでに星の数でもって点数を付けています。今回の記事は、このメモ書きから昨年観た映画、全99本の感想文。私にとって2017年は、この十年間で間違いなく、ぶっちぎりで数多くの映画を観た年でした。
ちなみにイラストは、12月に4本まとめて観たダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる007シリーズの第一作、「007 カジノ・ロワイヤル」(2006)より、ボンド・ガールを演じたエヴァ・グリーン。いや、お美しい。
さてこの調子で、今年も浴びるように映画を観たいものであります!
続きを読む
どうぞ!...どうぞ!...どうぞ!

ご存じ、黒澤明の監督デビュー作、「姿三四郎」(1943)。
単刀直入なオープニング。流れるようなドラマ展開。スケールの大きなオープンセットにこだわりのロケ撮影。七十余年も昔に撮られたとは思えない、斬新な構図やアクションの工夫。ここぞという場面で時間を自在に伸縮させるスローモーションや、息が詰まるほどの間、あるいは鮮やかな場面転換の呼吸。時代風俗の勘所を押さえたリアリティのある画づくりと、四季折々の風物を取り込んだ季節感のある映像。そしてなんといっても、理想的な師弟関係によって育まれる、青竹のような若者のビルドゥングスロマンという主題――。
黒澤監督は、自著「蝦蟇の油 自伝のようなもの」の中で、"このデビュー作にはすべてがつまっている"と述べていますが、なるほど確かに「姿三四郎」は、のちの黒澤映画のエッセンスがそこかしこに芽吹く、みずみずしい才気が全編にほとばしる映画です。
続きを読む

テレビ東京の人気旅番組、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が、お正月に放送された第25弾をもって、とうとう終了してしまいました。いや正確には、これまで第1弾からコンビを組んで毎回異なるゲストの女性(マドンナ)とともにバス旅を繰り広げてきた太川陽介と蛭子能収の二人が番組を卒業し、次回から、新たなコンビにとって代わることになりました。
私がこの番組を知ったのは、3年前のお正月。つまりにわかファンなのですが、たまたま第18弾を観て以来、年3回の新作を観るのはむろんのこと、BSジャパンで過去回の再放送を総ざらいするほど、すっかりはまってしまいました。この番組のどこにそんなに惹かれたのかといえば、いろいろありすぎて書ききれませんが、大きな理由の一つは、旅人が、太川&蛭子コンビであったこと。だから二人が辞めた今、たとえ番組自体が続いたとしても、おそらくもう観ることはないような気がします。
続きを読む

今さらではありますが、昨夏、2年ぶりに北アルプスへ行ってきましたので、そのときのことを書こうと思います。ルートは上高地から涸沢を経て、北穂高岳から奥穂高岳、前穂高岳へと辿る、標高3,000mの尾根歩き。数年前に槍ヶ岳~北穂高岳を縦走したとき、北穂の頂から蒼天に暮れなずむ奥穂のシルエットを眺め、次はここからあそこ、と心に誓ったコースです。
というわけで今回のイラストは、あちこちの山小屋でよく見かける山岳マンガ、「岳 みんなの山」の映画化作品、「岳 -ガク-」(2011)より、主人公の島崎三歩を演じた小栗旬。映画の冒頭、レスキューを終えた三歩が、遭難者のピッケルを携え登頂する山が奥穂高岳であり(この場面、原作のイメージどおりでぞわっときます)、とすればこの記事は、「岳 -ガク-」のロケ地訪問記、と言って言えないこともありません。というか、そういうことにしよう。
続きを読む
管理人: mardigras
